元自衛官の佐藤外務副大臣に訊く~西日本豪雨、太平洋での自衛隊の活動

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月3日放送)に参議院議員の佐藤正久外務副大臣が出演。西日本豪雨での被災地の状況と日本の国防について解説した。

元自衛官の佐藤外務副大臣に訊く~西日本豪雨、太平洋での自衛隊の活動

西日本豪雨での自衛隊の活動~相手の目線に立って対応

元自衛官で現在は参議院議員の佐藤正久外務副大臣が飯田浩司と対談し、西日本豪雨での自衛隊の活動や、今度の日本の国防のあり方、憲法改正について話した。

飯田)自衛隊の現場も知る、そしていまは世界中を含めて飛び回っていらっしゃる佐藤正久外務副大臣にお越し頂きました。西日本豪雨の被災地にも入られて、精力的にTwitterでも発信されていました。現場をご覧になって、いかがでしたか?

佐藤)いままでとは雨の量が全然違うということが、山から落ちてきた大きな石。物凄く大きな石なのですよ。ここまで流れてきたのか。地元の人に訊いても「こんなことは全く想定していなかった」と言っています。小さな小川が、大きな土石流の河原になっているのですよ。それだけ凄い雨だったのだな、という感じがします。

飯田)陸、海、空合わせて相当な人数が派遣されたということですが。

佐藤)合わせて3万人ですね。現在、現場や司令部で動いている方が3万人と言われています。

飯田)この後はかなり酷暑になってしまって、隊員の方々もご苦労ななかでやっていらっしゃいますよね。

佐藤)災害現場から帰ってきた隊員とも話をしましたが、やはり「3キロから4キロ瘦せた」と言っていました。

飯田)それはほとんど汗、ですよね。

佐藤)非常に頭の下がる思いがしました。鍛えていて強いから、優しくなれるのですね。いくら暑くても体力があるから冷静に判断ができ、優しくしっかり向こうの目線に立って支援ができるということがあったと思います。食事でも、お年寄りの場合は、量は少なめに、味付けは薄く、盛り付けは少なめにしています。

飯田)いつも作っている糧食とは違うわけですね。

佐藤)自衛隊じゃありませんから。これは一例ですが、やはり相手の目線に立って対応を変えるということができるのは、自衛隊の得意な分野かもしれません。

国際社会での自衛隊の活動~外交に影響力を持つ

飯田)外務副大臣として外交をするときには、自衛隊の存在というのも大きなファクターになるわけですか?

佐藤)そうですね。海の安全保障という観点で言うと、海賊対処や不法漁船の対処というのは、アジア太平洋の島々でも起きているのです。海上自衛隊、海上保安庁がフィリピンやインドネシアに行って教えているのですね。それが非常に大事な要素として、いろいろな国際会議の議題にもなっています。

飯田)南シナ海、東シナ海を含めてですけれども、ここが日本にとってはまさに生命線というか、ここを安定させることを考えると周りにはいろいろな国がありますけれども。そのなかで中国というのは頭のなかにあるわけですね。

佐藤)日本も引っ越すわけにはいきませんから。周辺国とはそれなりに良い関係を保ちながらも、国際ルールというものは守ってもらわないと安全や安定はありませんので、それは外交チャンネルを通じて、紛争や波が高くならないようにしなければいけないと思っています。

飯田)特に中国相手で言うと、国のなかでは「仲良くしろ」というのが出ますけれども、仲良くしようとしてなれるほど外交は甘くないと思うのですが、いかがでしょう。

佐藤)それぞれの国の国益が違いますからね。国防は国家百年の計と言いまして、隊員を育てるのにも時間がかかりますし、装備を開発するのにも何十年とかかります。いま、秋田や山口の方で話題となっている、陸上配備型のイージス。これも、導入を決めてから配備をするにしても、どんなに早くても4~5年はかかります。かといって北朝鮮が核兵器、ミサイル、これを廃棄するのをやめたと言うのは簡単です。これは一瞬で戻りますから。いままでも2回、日本を含め国際社会は北朝鮮に騙されたわけです。二度あることは三度あるという風にしてはいけない。ただ、向こうは完全な非核化が終わるまでは、いつでも戻れてしまう。可逆的なのです。そう考えると、備えというのは時間がかかりますから、状況を見つつそれなりのスパンを取りながら、事前に配備を進めるということは大事だと思います。

憲法改正~国民の議論が大切

飯田)最後に、根本の原因が憲法の問題に結びついてくるような9条の存在。憲法改正はどうしますか?

佐藤)憲法改正は国会の方で議論をして、国民投票にかけるということが大事だと思います。あくまでも憲法を作る主体は国民ですから。国民主権なので、やはり国民が議論をして欲しいと思います。国民のための憲法でなければ意味がありませんから、自衛隊も国民の自衛隊という意識がありますから、9条を議論するときには、国の守りはどうするのか、自衛権との関係も含めて議論をした結果として1つの結論が出ればいいなと思っています。

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