融資のリスクと不正をスルガ銀行問題で考える

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月15日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。金融庁がスルガ銀行に対し不動産融資業務の一部停止命令を検討に関して解説した。

金融庁がスルガ銀行に対し不動産融資業務の一部停止命令を検討

シェアハウス投資をめぐるずさんな融資の問題で、金融庁がスルガ銀行に対し、不動産融資業務の一部停止命令を検討していることが分かった。また、スルガ銀行では法人融資担当だった男性行員が、顧客の定期預金を無断解約し、独断で融資の資金として流用していたことが判明、この行員を懲戒解雇している。

飯田)これについてメールもいただいております。あすならの母さん、66歳、秦野市の方。「昔父がスルガ銀行の支店長をしていました。新しい融資の申請にもいたく気を遣って神経をとがらせ、毎日過ごしていたのを思い出します。今シェアハウス向け不正融資問題で大揺れになっていると聞いたら何と言うでしょう。岡野喜太郎創設者も非常に堅く堅実な方だったと聞いています。何だか最近評判を落としてがっかりしている私です。」と、頂きました。現場のモラルハザードという報道もされていますが、組織的な関与があったのか。

高橋)あったと思います。なければできないです。幹部の方もそれを組織的にやっていたと、このシェアハウス問題はかなり解明されていますからね。スルガ銀行は、中央銀行でかなり有名な銀行というか、色々なことを積極的に取り上げる銀行ですよね。マスコミの人も随分持ち上げたし。

飯田)特にこのところ金融庁がやたらと持ち上げていましたよね。

高橋)金融庁の長官って私の同期なんですけれどね、結構入れ込んでいて、恥ずかしい思いをしているんじゃないですかね(笑)。

飯田)前の長官ですね、森さん。

高橋)だから、あまり個別に話を持ち上げると、行政の方はマズいですね。

飯田)バランスという面で?

高橋)だって何が起こるか分からないですよ。はっきり言うと、行政の方から見ると他人というか、自分のところではないから、検査してみて「ええっ!」ということがあるのは、よくある話なんです。検査しないと分からないですよ、本当に。

融資をするリスクと不正
飯田)色々なところにリスクを取って融資をする、それで収益を上げるのはいいじゃないかという動きもありますが。

高橋)それは結構です。でも不正はいけない、それだけですよ。不正、ルール違反、法律違反、それは駄目。リスクを取ってやるというのは経営判断ですから、それはそれでありでしょう。リスクを取らないといけない時もあるし、バランスの話なんですよね。今回は完全に不正をやっている。預金の解約なんてあり得ないですよ。

飯田)普通だったら手を付けないところですよね。

高橋)あり得ないです。すぐわかるしね。よっぽど切羽詰まってたんじゃないですか。

飯田)ただ、その切羽詰まっていたというのが、これだけ不正に手を染めるほど銀行を追い詰めて良いのか、金融緩和は駄目だ、というところになぜか繋がる動きがありますよ。

高橋)でもそれは、全部不正じゃないでしょうし。いつでも不正は駄目なんですよ。金融緩和で引き締めても、どういう時でも不正はあるでしょうし。それは金融緩和と関係ないです。

飯田)一見関係があるように見えても、実際は全く関係ないわけですよね。

高橋)全く関係無いです。だから多分、自分の行員・組織の人たちが功を焦っただけのことなんですよ。不正の話と、何かの政策をやってそうなったというのは全く別の話なので。私の感覚ではね、どんなときでもこういう事はあります。

飯田)例え引き締めの段階でも。

高橋)どういうときでもあります。それをどのようにガバナンスしていくかということだけです。

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