夏の甲子園、103年前の決勝戦「秋田中vs 京都二中」はどんな試合だったのか

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夏の高校野球で金足農が秋田勢として103年ぶりに決勝戦に進んだ。「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月21日放送)では、103年前に行われた決勝戦、秋田中学 対 京都二中の模様を取り上げた。

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第100回全国高校野球 日大三(西東京)-金足農(秋田) 7回、力投する金足農(秋田)の吉田輝星=2018年8月20日 甲子園球場 写真提供:産経新聞社

第100回全国高校野球選手権は本日、金足農(秋田)と大阪桐蔭(北大阪)による決勝戦が行われます。金足農業のお膝元・秋田では、地元紙が「秋田県勢 103年ぶり決勝進出!」という号外を出して盛り上がっています。

秋田高校の前身・秋田中学が出場した、その「103年前の決勝戦」とは、いったいどんな試合だったのでしょうか?

第1回大会は、全国の予選を勝ち抜いた旧制中学10校が参加。甲子園球場はまだ建設される前で、大会は大阪の豊中グラウンドで行われました。

秋田中は、三重の山田中、東京の強豪・早稲田実業を破って、決勝に進出。相手は優勝候補の京都二中。(→秋田の伏兵 対 関西の優勝候補、今回と同じ構図!)試合は息づまる投手戦となり、1対1のまま、大会初の延長戦に突入。

延長13回ウラ、後攻めの京都二中は、ワンアウト2塁のチャンスを作ります。ここでセカンドへフラッと小フライが飛び、秋田中の2塁手はワンバウンドで捕球。ファーストへ送球しましたが、これを1塁手が「お手玉」。もたつく間に、2塁ランナーが一気にホームを駆け抜け、サヨナラで京都二中が優勝しました。つまり、「サヨナラエラー」で、夏の初代王者が決まったのですね。

実はこの第1回大会、開催が急に決まったため、十分な準備が整わないまま参加した秋田中は、慣れないポジションで守っていた選手も多かったそうです。ファーストを守っていたのは、本来キャッチャーだった選手で、ケガのため1塁に回っていたのです。でも言い訳は一切しなかったとか。

結局、このときに負けてから現在に至るまで、東北勢は春夏通じて一度も優勝していないのですが、感動的なエピソードが1つ残っています。敗れた秋田中学のメンバーは、グラウンドを去るとき「京都軍、バンザイ!」と声をそろえて京都二中をたたえ、詰めかけた観客から賞賛を浴びたそうです。

他にもこんなこぼれ話もあります。大阪の夏の暑さには慣れていない秋田中。キャプテンの渡辺捕手は、決勝の前日、秋田では珍しかったアイスクリームを食べて、お腹を壊していたそうです。

また、当時はインターネットも携帯も、実況中継もないですから、勝負の結果を秋田に伝えるには、電報しかなかったそうです。ところが、感極まった秋田中のメンバーは、宿舎で思う存分語り合って、気が済んでから、故郷に電報を打ったそうです。

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