アメリカと台湾~国同士の関係へ着実な進歩

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月21日放送)にジャーナリストの有本香が出演。アメリカと台湾との関係性について解説した。

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蔡英文 - Wikipediaより

台湾の蔡英文総統がアメリカの政府施設を訪問

台湾の蔡英文総統は19日、中南米歴訪を終えた帰国の途中、経由地のアメリカのヒューストンでNASA(アメリカ航空宇宙局)の施設を訪問した。台湾メディアによると、台湾の総統がアメリカ本土の政府機関を訪問するのは初めてのことで、台湾メディアは「アメリカとの関係の新しい局面だ」などと大きく伝えている。

飯田)アメリカ側は台湾に対して手厚いもてなしということで、これで中国はまた文句を言うでしょうけど。

有本)いまの米中の関係が、貿易面の問題などでうまくいっていない。ウイグル人の人権活動家をアメリカが呼んで厚遇したり、人権面や台湾問題などいろいろな角度から北京に対して圧力をかけています。しかし、そういった直近のことだけでなく、台湾とは今年の3月にトランプ大統領が署名した「台湾旅行法」という法律があります。これでアメリカと台湾の閣僚が交流しようということを決めたわけです。今後トランプ政権は、台湾を1つの国のように扱って政治交流をやっていくという方針を、3月から明らかにしています。
しかも台湾旅行法は議会の超党派から出されていたものです。ですからアメリカ政界全体として、台湾との政治的な関係をきちんと結びなおしていこうという流れがあったことは間違いないです。もともとアメリカと台湾の間は、安全保障上の事実上の軍事同盟である台湾関係法というのがあって、それに加えて旅行法ができた。しかし、いきなり来るというのはそれなりのインパクトがありますよね。

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ドナルド・トランプ - Wikipediaより

米台~事実上の国と国との関係性を築いていく体制

飯田)象徴的な意味合いが相当ありますよね。台湾にあるアメリカの交流施設、事実上の大使館ですけれども、ここに関してもかなり大きな建物に変わってそこを海兵隊が守るという。他の在外公館と同じですよね。

有本)そうですね。完全な国と国との関係だということをアピールしていくことにもなりますし、蔡英文総統もアメリカに留学経験があるのではなかったでしょうか。ですから英語が上手いので、政治的な会話も全く通訳を入れないでできるくらいのレベルの人でもあります。蔡総統が就任以後、中南米を訪問する際にアメリカにトランジットで寄るじゃないですか。その度に共和党の有力議員とは面会していました。こうやってアメリカと台湾との関係をグレードアップしていくというなかで、日本はどうなのかというところです。

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東日本大震災に際して台湾から寄せられた支援に対する感謝を示した横断幕(岩手県盛岡市)(日台関係史 - Wikipediaより)

日本と台湾との交流

有本)日本もこのお盆の少し前、日本と台湾の議員連盟(華議員連盟)の役員たちが台湾に行っていました。総統とも会っていたと思います。新しく就任した台湾の日本で言う官房長官である陳菊さんたちと写真を撮っているのを見ました。
台湾の政権中枢と日本の与党議員を中心とした親台派の交流は、定期的に続けられています。最近の日本と台湾の政治的な交流で言うと、県知事などの自治体レベルで訪問して、向こうの自治体の長と交流するというのが増えているのですよ。これは東日本大震災以後顕著になっている傾向です。以前は、どちらかというと中国と地方交流みたいなものが盛んでしたが、「台湾いいな」ということでいろいろな自治体が交流している。
日本もいままでいろいろなポイントを捉えて、台湾との政治的な交流をしていくための国内法の整備はあったのです。記憶に新しいところで言えば、故宮博物院の展覧会を日本でやったじゃないですか。あれは法整備がなければできなかった話です。それから、これは国内法ではないですが、日本と台湾との間で漁業協定を締結したのは安倍政権になってからです。そういう形で分野ごとに日本と台湾との間で協力をし、何よりも合法的に取引をしていく。共に抱えている問題解決のためにルール作りをしていく。こういうことを進めていくべきだと思います。

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習近平と安倍晋三(2015年4月23日)(習近平 - Wikipediaより)

中国からは圧力も

飯田)一方で中国からの圧力というか、台湾と交流していた千葉県の市議さんが香港へ入ろうとしたら「おまえは台湾独立を支持しているから入れてやらない」というような話が出ました。あるいは青年のスポーツ大会、東アジア大会を台湾で開催する予定だったものを、中国が横槍を入れて潰してしまったり。あの手この手を使いますね。

有本)日本の自治体の交流に対しても、圧力をかけてくるわけですよね。中国側が交流を断ってきたりだとか。あるいは、中国からこちら側へ来る予定だったグループの出国を差し止めてしまうなど。そういう嫌がらせみたいなことは当然起きてくるわけです。だけど中国との関係を正常なものにしていくためにも、日本と台湾との連携はより強くしていくべきだと思います。そんななかで、アメリカの現政権の後ろにある議会が超党派で台湾と味方の関係を更に進化させていこうというのは、日本にとっては歓迎すべき状況です。

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