ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」（8月15日放送）に数量政策学者の高橋洋一が出演。北朝鮮の揺さぶりと、米露首脳会談について解説した。

韓国の文在寅大統領が日本政府の立場とは異なる考えを示す

韓国の文在寅大統領は昨日、日本軍慰安婦被害者を称える日の式典に出席した。演説で、この問題が日韓の外交紛争に繋がらないように望むとする一方、外交で解決される問題だとも思わないと話し、日韓合意で解決済みとする日本政府の立場とは異なる考えを示した。

飯田）韓国では今年から、8月14日を日本軍慰安婦被害者を称える日に制定したということなんですが。日韓合意でね。

高橋）日韓合意で、政府間で合意した話をひっくり返しただけでしょう、はっきり言えば。これは政府主催の会でしょう。ちょっと失礼な話ですよね。

飯田）あの時に、完全で不可逆的に解決した話ですよね。双方合意した筈なんですが。

高橋）テレビのインタビューというか、画像もあります。これはもう何回も流した方がいいですね。この話は、はっきり言って国内向けなんですよ、文在寅さんから見れば。でも国際社会は全然違うというのを思い知らせた方がいいと思います。政府間で合意して、朴さんもちゃんと答えていましたよね。

飯田）記者発表は日本から当時の岸田外務大臣、向こうも外相だったはずですが、政府間で合意していますから。

高橋）だからもう少し国際社会の話をきちんとすると。でなければあまりにも二重というか、ダブルスタンダードになり過ぎですよね。国内向けと国際向けで全く違う。こういう時に国際的なところから強く追いかけるというのは、外国では普通のことだと思いますけどね。

文在寅大統領の支持率の低下

飯田）それというのも、文在寅大統領の支持率が急激に下がってきていると。

高橋）下がってきたから、南北をうまくやると言っても、米朝がうまくいっていないのも文在寅さんが間に入って色々やっているからという可能性もありますしね。あまり良いことを言ってもうまくいかないですよ。米朝の話も、間に入ったって当事者じゃないですから。

飯田）結局アメリカは相当、韓国に対しても不信感があると。

高橋）それはあるでしょう。調子のいいことを言っている。この方は国際社会と国内向けとで、強烈な二つの顔を使いすぎているというか。

飯田）ただ、二つの顔というのはどこかで齟齬をきたすわけですよね。

高橋）もうきたしているんじゃないですか。だからそれを明らかにさせる為にも、日本はこの日韓合意の話をちゃんと画像で、世界に発信したりとか。そういうことをした方がいいと思います。

飯田）日本としては10億円という予算もつけて、和解や癒しのためにこれを使ってくれという話までしていて、ギリギリまで譲歩して準ずるような形でやるんだと。ある意味そこまで日本も引いた部分はあったんですが。

高橋）韓国だって、ギリギリのところで合意したわけですから。あとになったら俺は知らんぞと言っているだけなので、それは国際社会では許されない、ダブルスタンダードですよね。二枚舌です、はっきり言えば。それと同じことを世界にも言って、信用できない政府なんだと言わなければ、日本がだんだん不利になって、日本が言っていることの方がおかしくなってしまうのは、一番まずいですよね。

外交方針は約束

飯田）日本国内にもいろいろな意見があると思いますが、例えば政権が代わったんだから外交方針が変わるのも当然だと、だから韓国政府が態度を豹変させるのは当然、みたいな指摘もありますが。

高橋）それはないです。一応約束は約束。

飯田）約束は約束ですよね。違えるんだったら違えますよと、ちゃんと発表しなきゃいけない。

高橋）だからもしやるんだったら、もう一回再交渉を日本とする。再交渉しないかぎり約束は約束です。勝手に自分が変えたいからと変えられる話ではないです。

飯田）相手がいるものだから、ということですよね。

高橋）新しい政権になったから新しい約束をしたい、前の約束は違えたいと言うのは自由です。それを勝手に、政権が代わったから相手を無視してやってしまうというのは、道理に反する話です。常識的過ぎて説明の必要もないと思いますけどね。

飯田）勤務先が変わったから今までの借金チャラねと、そんなこと無理だろうっていう話ですよね（笑）。

高橋）借金は借金であると（笑）。だから、そこに新たに借金するとか、条件を変えたいならまた別の交渉をするだけですよ。

飯田）それを、ある意味その約束の立会人として国際社会に発表したのだから、もう一回立会人の方にも発表してもらわないと。

高橋）もしくはそれが不満なら、再交渉を言って来なければ駄目なんです。

飯田浩司のOK! Cozy up！
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