難問を抱える韓国の憂鬱~戦争したくない南としたたかな北

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月10日放送)に外交評論家の宮家邦彦が出演。今月13日に行われる韓国と北朝鮮の南北閣僚級会談について解説した。

南北閣僚級会談 今月13日に開催へ~前のめりの韓国と揺さぶりを入れる北朝鮮

北朝鮮の非核化に向けたアメリカと北朝鮮との協議が難航するなか、韓国政府は今月13日に南北の軍事境界線にある板門店で、北朝鮮との閣僚級会談を開くことを発表した。韓国統一省によると、9日午前に北朝鮮側から今年3度目の南北首脳会談の開催や、板門店宣言の履行状況について協議を行いたいとの提案があったようで、韓国側はこれを受け入れたということだ。

飯田)今年6月以来だということですが、この間一回流れましたよね?

宮家)流れました。南北会談と言うけれども、まず南の前のめりが始まったわけでしょう? そうすると今度は北の方は南が前のめるから、足下見ないで、どんどんど揺さぶる。ということは、相互に譲歩しているのかどうか、心配ですよね。韓国がまた譲歩させられているのではないかと。北はもう「知らない」って感じだから、「そんなこと言わないで」ということになれば、それは全体の流れとしては前のめった方が弱くなります。首脳会談をやるのは良いけれど、そして南北が和解をする会をするのは良いけれども、肝心の「非核化はどうなっているのかよく考えて動いてね」って言いたくなりますよ。

飯田)先日のASEANの共同コミュニケも結局、朝鮮半島の非核化に過ぎなかったってことですよね。

宮家)それはもう酷い話でね、うまくやられているわけですよ。北朝鮮が凄く賢くて、強くて、それでやられているのではなくて、こちらから降りて行っているんだからね、残念ながら。

飯田)こちらの、ある意味エラーで失点されているような。

宮家)もしくは足下見られていて、つい譲歩させられているんだとしたら、これはもう如何なものかなと気になるときがありますよね。

韓国もアメリカよりも北朝鮮のほうが一枚上?

飯田)アメリカ側はまた、ポンペオさんが訪朝しているという話が出ています。

宮家)北朝鮮だから仕方ないにしても、アメリカの国務長官が、普通の担当官みたいに交渉官として向こうに行って、前回は金正恩にも会えなかったわけです。今回だって会うかどうかわからない。譲歩したら会ってくれるってそんな話あるかと思ってしまいますね。だけど金正恩が全てを決められるわけだから、ある意味では手玉に取られているというか、情けないと言ったら言い過ぎでしょうか。

飯田)融和ムードからちょっとおかしな方向へ行っていますよね。

宮家)融和は良いのだけれども、じゃあ北朝鮮が本当に態度を変えて、今までのことを反省してやっているかと言うと全然違うじゃないですか。おじいちゃんの代から受け継いでいるやり方を形かえてやっているだけではないかと言ってもおかしくないのだとしたら、それは困りますよね。
「では、それ以外にお前、方法あるのか」と言われたときに、私にはそれが無い。その意味では、北朝鮮の方が一枚上手だということかなあ。残念ですけどね。

韓国の基本的なポイントは「戦争をしたくない」

飯田)日本では、対話か圧力か二分法みたいな話になりますけど。

宮家)韓国からすれば、本音を言えばですよ、トランプさんみたいなおっさんがやって来て、「いけいけー」なんて戦争でもやられたらたまらないわけですよ。あのおっさんと一緒に、落ちて行くつもりはないですよ。「戦争だけはやってはいけない」というのは当たり前ですよね。同じ半島だし、民族同じなのだから。そうすると、どうしても向こうに主導権を与えざるを得ない。でもその基本的なポイントは、「戦争したくない」というところにあります。核兵器ももちろん大事ですが、この部分は理解してあげないといけないのかなあとは思います。

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