サウジ記者不明事件~宗教上考えられる恐ろしい事実

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月18日放送)に青山繫晴(自由民主党・参議院議員)が出演。サウジ記者行方不明事件について、サウジアラビアが捜査に合意した真相を解説した。

アメリカ国務長官がサウジ国王と会談~不明記者の徹底調査で合意

アメリカのポンペオ国務長官は訪問先のサウジアラビア首都のリヤドで、サルマン国王らと会談した。会談ではトルコのイスタンブールにあるサウジアラビア総領事館で、サウジアラビアの記者ジャマル・カショギ氏が行方不明になっている件を巡り、協議を行った。ポンペオ長官によると、サウジアラビア指導者たちはカショギ氏に何が起きたかについて、「何も知らない」と答えたということである。

飯田)今月2日にイスタンブールのサウジ総領事館に入ってから、カショギ氏の足取りは掴めなくなっています。

サウジでは現在も公開処刑が行われている

青山)私はサウジアラビアには何度も入っています。今回の事件もおそらく背後で動いているであろう、サウジアラビアの内務省にも行って長時間議論したことがあります。私なりにサウジアラビアのことは理解しているつもりですが、まず普通の西側の考え方とまったく違うということを踏まえておかなくてはなりません。
宗教裁判所の足下の石畳が、ある一点に傾いていて、そこが濡れていたのです。なぜこのような構造なのか聞いたら「宗教裁判で首をはねて公開処刑して、血を洗ったばかりだから」と言われて、仰天したことがありました。善悪というよりも、価値観、価値体系が違うのです。報道の自由から見たカショギさんの悲劇と、サウジから見た宗教上の問題も踏まえる必要があります。カショギさんが宗教上の問題を起こしたとは言いませんが、観点が違うということも確かです。

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領事館は盗聴されているため「アップルウォッチで録音していた」は作り話の可能性が高い

青山)アップルウォッチの件も、これは想像ではなく、情報を通じていろいろ話を聞いていると、作り話のような気がします。
例えば日本の場合、各国の大使館や外交高官に盗聴装置を仕掛けていません。しかし、逆に中東諸国や中国、欧米諸国は普通に仕掛けるのですよ。むしろ仕掛けない日本がおかしい。
したがって、イスタンブールのサウジ総領事館に盗聴装置はあるのが普通です。すると、アップルウォッチをしていなくても、全部リアルタイムで聞けるわけです。だから、「トルコの主権を侵された」と、本当は外交高官だから主権は及ばないはずが、怒り心頭でただで済まさない雰囲気になっているのは、一部始終を聞いていたからだと思います。

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トルコ・イスタンブールにあるサウジアラビア総領事館前で、行方不明になったジャマル・カショギ記者のポスターを手に抗議デモを行う人たち=2018年10月8日(共同) 写真提供:共同通信社

今回の事件は通常ある宗教的秩序を保つための「見せしめ」

青山)一部で言われている「生きている間に恐ろしいことがあったのでは?」というのは根拠のある話なのです。それが単に「そういう事を起こしたかもしれない」という話ではなく、明らかに見せしめです。先ほどの宗教裁判の話は別に興味本位で話したのではありません。頂門の一針という言葉がありますが、そうやって見せることで、宗教的な秩序を保とうとすることが、いわばイスラム国家の1つの考え方ですから。だから、サウジが捜索を受け入れたことを不思議に思う人も多いと思いますが、それはある程度伝わることを前提にやっているのです。

飯田)これは、改革もやっていて、けっこう恨みも買っていると言われている皇太子サイドが、「反対は許さない!」と意志を示したのでしょうか?

青山)それが背景としてはいちばん大きいでしょうね。善悪の話の前に、文化の違いや本来の意図を理解することが大切です。アメリカもそこは慎重になっています。

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