迫力!技術!戦略! 魅力満載の「ブラインドサッカー」を取材!
公開: 更新:
ニッポン放送アナウンサーの新行市佳が、注目選手や大会の取材などを通して、パラスポーツの魅力をあなたと一緒に発見するための連載企画「パラスポヒーロー列伝」。
今回は、多くの方がきっと一度は耳にしたことがある人気パラスポーツ「ブラインドサッカー」について取材してきました。
【ブラインドサッカーとは】
視覚障害の選手が行うサッカーで、試合はフットサルと同じ大きさのコートで5人で行いますが、その5人のうちピッチを走る4人の選手はアイマスクを着用し、ゴールキーパーはアイマスクを付けずに、晴眼者(目の見える選手)もしくは弱視の選手がつとめます。
ピッチ上4人のフィールドプレイヤーにとっての情報源は「音」
中に鉄球が入っていて「シャカシャカ」鳴るボールの音、ガイド(ゴール裏でシュートの指示を出す人)の声、ゴールキーパーの声、監督の声、自分チームの声、相手チームの声(ボールを保持していないチームの選手は「ボイ!」と叫んで自分の位置を知らせなければいけません。※「ボイ」はスペイン語で「行く」の意味。)
これらの音情報を耳で聞いて、頭の中に試合の状況を描いて選手はプレーします。
そのため観客は、シュートが決まった瞬間や試合がストップしている時以外は、声を出してはいけません。(心の中で全力応援ですね!)
現在、ブラインドサッカーの試合を間近で観戦できる「ブラインドサッカー地域リーグ2018」が行われています!
【地域リーグとは】
北日本・東日本・中日本・西日本の4ブロックで構成されていて、各クラブチームの拠点となる地域を中心に周遊して行われるリーグ戦のことです。
リーグ上位チームは、来年のクラブチームナンバー1を決める「日本選手権」に出場できます。
今年は20チームが参加しており、7チームが「日本選手権」に進出します。(東日本3・北日本1・中日本1・西日本2)
チームと地域の結びつきを強めることを目指していて、観戦は無料。
現在、東日本リーグは第5節まで行われており、これから第8節まで行われる予定です。
【ブラインドサッカーの見所】
先日、10月27日(土)しながわ中央公園で行われた「ブラインドサッカー 東日本リーグ2018 第5節」の取材に行ってきました!
ここで、私が感じているブラインドサッカーの魅力をご紹介します。
① 激しさ
身体のぶつかり合いがとても激しいです。
音を頼りに動くので、時として他の選手とぶつかったり、ピッチを囲んでいるフェンスにぶつかったり、転倒することもありますが、すぐに立ち上がって選手はプレーします。
② 巧みな技術
目をアイパッチで覆い、その上からさらにアイマスクをしているので選手は「本当に」見えていません。
声から相手の位置を把握してドリブルで抜いたり、仲間にパスを出したり、ガイドの指示で急な角度から強烈なシュートを打ったり・・・「実は見えているんじゃないの?」と疑ってしまうほどにプレーが正確で緻密です。
③ 音を使った戦略
例えば、向ってきた相手に対してあえてボールを前にだして音を鳴らし、相手が反応した瞬間にボールを後ろに引いてドリブルで抜いていく「フェイント」。
ボールを空中に蹴り上げて、ボールの音が鳴らない無音状態を作り出し、蹴り上げた選手が走ってボールを着地ポイントでキャッチするという技など。
「音を使った戦略がある」というのは、健常のサッカーとはまた違った面白さだと思います。
【初めてブラインドサッカーを観戦される方へ】
ブラインドサッカー日本代表のキャプテンで、クラブチームでは「Avanzareつくば」で活躍されている川村怜(かわむら・りょう)選手から、初めてブラインドサッカーを観戦される方へメッセージを頂きました。
「まずはブラインドサッカーの生の試合を観て欲しい!(試合中、観客は)静かにしていなきゃいけないんですけれど、思わず声が出ちゃうようなワクワクするプレーをしたいと思っています。」
川村選手の持ち味は、なんといってもドリブル。
ボールが足に吸い付いているかのようで、相手を次々に抜き去って決めるシュートは本当に格好良いんですよ!
今週末、11月4日(日)には町田市総合体育館でブラインドサッカー日本代表がアルゼンチン代表と対戦する「ブラインドサッカー チャレンジカップ2018」が開催されます!
チャレンジカップや地域リーグの日程について、詳しくは「JBFA 日本ブラインドサッカー協会」のHP(http://www.b-soccer.jp/)をご覧ください。
【新行市佳のパラスポヒーロー列伝 第1回】