大西健介議員の国会通行証貸与問題~各一般紙が無視するのはなぜ?
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月12日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。文科省汚職事件ついて解説した。
文科省汚職事件~霞ヶ関ブローカーに国会通行証を渡したのは現役議員
週末の産経新聞のスクープによると、文科省幹部が逮捕・起訴された汚職事件において、国民民主党の大西健介衆院議員が「霞ヶ関ブローカー」と呼ばれた元コンサルタント会社役員に対して、私設秘書などに発行される国会の通行証を貸与していたことを認めたと報じた。
飯田)落選中だった立憲民主党の吉田統彦衆院議員に頼まれ、自身の業務に関係なく渡していたそうです。
須田)「頼まれて自身の業務に関係なく渡していた」は、あくまで大西さんの言い分です。その意味でポイントは「霞ヶ関ブローカーの谷口幸司被告、つまり文科省汚職事件の中心人物に国会の通行証を出していたのが大西議員だった」と初めて実名が上がったのは、産経新聞のスクープだと思います。「この情報を産経新聞しか知らなかったのか?」については、必ずしもそうではない。実は数カ月前から大西さんの名前はずっと上がっていたのです。ただ、本人がはっきりせず、立憲民主党、国民民主党がなかなか認めなかったため、ずっと伏せられて来たのです。つまり、他の一般紙も全員知っていたのです。ところが、産経新聞が先を越してもどこも追随しません。恐らく、しばらくは無視するでしょうね。
飯田)紙面に載ったのは土曜日の朝刊ですよね。
須田)土曜の夕刊も、日曜の朝刊も、まったく無視している状況です。
「私設秘書専用の通行証」が発行されていることから議員の関与は明白
須田)しかし、これはスルーしてもいいような簡単な話ではありません。場合によっては大西議員や吉田議員は、贈収賄幇助みたいな可能性も出てくると思います。これは難癖を付けているわけではなく、きちんと説明できます。2017年5月10日、都内の高級料亭に集った3人の男性がいます。谷口浩司被告、佐野太文科省局長(当時)、臼井正彦東京医科大学理事長(当時)です。そこでこんなやりとりがありました。谷口浩司が「臼井先生が文科省へ行くときに、全部同行します。そうすると佐野さんに迷惑がかからず、入館記録が残らずに入れるから、お互いにいいと思います」と言ったのです。そして、臼井被告が承諾したやりとりがあります。
「記録に残らない」のは、通行証があるからです。各国会議員に1枚貸与される、顔も名前も記載されていない通行証ではありません。今回問題になっているのは「私設秘書(谷口浩司)専用の通行証」です。これを発行してもらうためには国会議員の署名捺印が必要で、国会の事務局に申入書を提出しなければならない。それさえあれば、国会や議員会館どころか、全省庁がフリーパスの魔法のようなカードを、まったく知らない人に発行しませんよね。それが与えられたからこそ、こういったやりとりがあったのです。
野党はこの問題の責任を取らずに片山さつき議員の疑惑を追及することはできない
須田)東京医科大学としては、何としても文科省にブランディング事業対象校に認めてもらいたかった。そのために働きかけをして、佐野被告の息子さんを東京医科大に裏口入学させた。そういう曰く付きのところなのです。
飯田)それを採択されることで補助金が入ったり、いろいろなメリットがあったわけですね。
須田)格も上がりますからね。そのために必要な道具が、国会の入館証でした。「それなら全員同罪じゃないか!」ということになるのです。
飯田)橋渡しみたいな役ですね。
須田)なおかつ立憲民主党の吉田統彦さんは元眼科医で、眼科医学会から数千万円単位で献金をもらっているのです。そして、眼科医学会に大きな影響力を持っているのが臼井正彦被告です。そういう流れがある。献金をもらった吉田議員は落選中だったため、大西議員に頼んで通行証を出してもらった。それで全部話がつながります。
飯田)メールをいただいています。新宿区にお住まいの“たかし”さん(60)からです。「大西さんは辞職しなければいけないのではないでしょうか。片山さつきさんを同じような、秘書とされる方に通行証を出した件で追求しているのに、同じことをして謝罪訂正で終わらせるのなら、国民から『やっぱり野党も何も責任をとらないじゃないか!』と、国民民主党や野党の評価も低下してしまいます。『泣いて馬謖(ばしょく)を斬る』ではないですが、バッサリ大西さんを辞職させた上で、片山さんを追いつめるべきだと思います」という意見です。
須田)枝野さんもキチンと吉田さんの疑惑に答える義務があると思います。
飯田)党首として、説明責任ですね。
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