イギリスEU離脱~「合意無き離脱」となった場合の怖い影響

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月26日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。EU離脱協定案と、EU離脱で予想される影響について解説した。

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イギリスEU離脱協定案

EUは昨日ブリュッセルで首脳会議を開き、来年3月のイギリスの離脱条件などを定めた「離脱協定案」と、イギリスとEUの将来の関係に関する「政治宣言案」を正式決定した。

飯田)協定案は今後イギリス議会に送られるのですが、議会内では与野党共に反発が強いということで、議会を通るかどうかが怪しくなっていると報じられています。

須田)形の上ではEUを離脱するのだけれど、関税や人の移動に関してはEUに残留しているのと同じような決着がつきそうです。アイルランド国境問題をきっかけに、人の移動についても同じ状況になりそうな決着について、イギリス国内から反発が強まっているということですが、この問題でいちばん我々が注目しておかなければいけないのは、合意無き離脱、全く取り決めが無く離脱するのは非常に大きなリスクになるということです。何が起こるか分からないのですよ。それが恐らくブレグジット・ショックという形で全世界に及んで行く。特にマーケットに波乱を起こす可能性が高くなると思います。

飯田)それこそ先程話のあった日産のことですが、イギリスに大きな工場を持っていますよね。合意無き離脱でそこへ部品が来なくなると、あっという間に経済が回らなくなるということですよね。

須田)あと、労働者の問題です。工場の生産現場や、3Kと呼ばれている職場の現場は外国人労働者が多いのですよ。合意無き離脱ということになると、一斉に帰国が始まってしまいます。そうなれば、イギリス経済は大混乱に陥るのではないかと思います。

イギリスの混乱が日本にも影響する可能性

飯田)この協定が仮に不十分だとしても、無いよりは余程マシであるということですね。

須田)そうです。心配なのは、保守派を中心とする強硬派がこの合意を破棄しろ、と言うので国会を通りそうもないという状況、これは「イギリスは何なんだ」と思いますよね。「これが民主主義だ」と言われたらそれまでだけれど……。

飯田)この国は単純小選挙区制ですものね。みんな選挙区の声を聞きまくっているからこうなってしまう。

須田)イギリス国内だけが混乱に陥るのだったら良いのですが、その影響が他国、延いては日本にも来るとなると、「いい加減にしろよ」と思いますね。

飯田)それが3月にやって来るかもしれないと思うと……こういうニュースが出る度に株も乱高下してしまうし、既に影響が出ています。

須田)株を中心としたマーケットに大きな影響を与えますし、何だかんだ言ってもヨーロッパ金融の中心はまだロンドンのシティなのです。ここがどうなるのかというところもあるでしょうし、イギリスが勝手にやって時間的な猶予があるのだったら、ショックを和らげる方策を諸外国も取りやすいのですよ。ただ、短期間に一気にやると、何が起こるか分からないのですよね。

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