イギリスとEUの離脱交渉は離婚条件を決めるようなもの

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ニッポン放送「飯田浩司の OK! Cozy up!」(11月14日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。イギリスのEU離脱について解説した。

イギリスとEUの離脱交渉、事務レベルで合意

イギリスの首相官邸は13日、EUからの離脱を巡って、離脱条件などを定めた協定案について、EU側と事務レベルで合意に達したと発表した。イギリスは14日に開く閣議で協定案を協議した上、次の措置を決定するとしている。

飯田)事務レベル合意ということですが、既に政治レベルの方では反対する政治家、ボリス・ジョンソン前外相などは「破棄してしまえ」と批判しています。

高橋)ボリスさんは兄弟でいろいろなことを言っていますね。面白いけれど、「どう離脱するか」という議論はあまり前向きではないですね。

飯田)ある意味、離婚は決めている、みたいなことですか?

高橋)離婚条件を決めているという話でしょう。

飯田)財産分与とか。

高橋)そう、お金を取るとか払うとか、見苦しい話ではないですか。

飯田)何も決めずに。

高橋)「それではいけない」とメイさんは言いますが、辞めるという話ですからね。

離脱協定は離婚条件を決めるようなもの

高橋)離婚するときにいがみ合って離婚するのか、円満に行くか、そういう話でしょう。でも離婚ですよね。

飯田)離婚ということは、ある程度の痛手は双方被るのではないですかね。

高橋)痛手はあるでしょうね。やはりEUに入っていたほうがいい、というのが普通ですよ。でもイギリスはポンドを使っていて、ユーロには入っていない。EUに入っていながらユーロを使っていないというのは、いちばんいいポジションなのですよ。これを、わけもわからず国民投票してしまってEUを出たということですから。いまでもEUに入っていない、デンマークとかスウェーデンなどはそうですよね。非常に良い通貨を自分たちで持っていて、為替レートができる。ただし、貿易のところの重要な需要は享受する。いちばんいいポジションです。イギリスは勿体無いですね。

飯田)勿体無い。

EUに入っていてユーロを使わないでポンドを使う~いいポジションだったイギリス

高橋)はっきり言って勿体無い。いいポジションだったと思いますよ。

飯田)関税無しで物のやり取りができる、或いは企業サービスもできる。

高橋)できるけれど、通貨は独自のものを持っていて、同じユーロの政策には属さない。雇用も、はっきり言うと自分の国の都合でできる。金融政策ができるから雇用も作れる。いちばんいいポジションを出てしまったというのは、皆が失敗したと思っているでしょう。

飯田)できることならもとに戻りたいという人も、かなりいるみたいですね。

高橋)それは分かるのですが、でも離婚でしょう。離婚のなかの話をしているから、ちょっと前向きではないなという感じがしますね。

飯田)問題になったのが、EUのなかで人の動きが自由になり過ぎていて、雇用が奪われるとか治安が悪くなるとか、そういうところを危惧した人が多いようですね。

高橋)建前はそうですが、それぞれビザがあるからコントロールできるわけです。表向きは自由だけれど、実情はコントロールされている。そこはちょっと勘違いしてしまったのかなと思いますけれどね。入管管理というものは非常に重要な話ですから、どこの国も捨てないですよ。

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