Googleへの制裁もEUにとって根本的解決にはならない

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月20日放送)に外交評論家の宮家邦彦が出演。EUが行ったGoogleへの制裁について解説した。

トランプ大統領がEUのGoogleへの制裁に反発

アメリカのトランプ大統領は19日、EUがアメリカのIT王手「Google」に対し5,700億円の巨額な制裁金を課したことについて「彼らは間違いなくアメリカをカモにしている。だが、長続きはしない」とTwitterで反発した。貿易問題などをめぐるアメリカとEUのぎくしゃくした関係を改めて浮き彫りにした格好となっている。

飯田)Twitterで「カモにしている」と怒りを露わにしたトランプ大統領。米欧のぶつかり合いというのはいろいろなところで起こっていますね。

宮家)はっきり言ってアメリカの1人勝ちです。ヨーロッパではIT系の大手に対抗できる会社は限られているのです。だから、圧倒的に強いわけです。ヨーロッパはずっと保護的だったのだけれど、Googleの入ったandroidスマートフォンがこれだけ普及したら中国だって対抗できませんよね。
これは懲罰的な罰金なのだろうけど、これを取ったからヨーロッパが強くなるかと言われればならない。本当の喧嘩なのですよね。「カモにしている」というけれど、お互い様ですよ。

飯田)じゃあandroidをやるな、となっても次に出てくるのはアップルで、これもやっぱりアメリカじゃないかという。

宮家)全然ヨーロッパの出番はないですよね。これでどうするつもりですかね? 米欧の対立というのはこれからも続くのでしょうが、基本的にヨーロッパの方が弱いですから。そしてイギリスは出ていくし、なんとかアメリカとの関係で立場を強くしようとしているところだと思います。

スマホからアメリカに抜かれている個人情報

飯田)今回はandroidにアプリも一緒につけることを強制したから、独占禁止法ということで取っていますけれど、最終的にはデータを全部アメリカに持って行かれてしまうということをEUは嫌がっているわけですよね。

宮家)彼らがビジネスとしてタダであんなものを配っているわけはないから、何を集めてどのような形でやっているかは企業秘密だから言えないだろうけれども、スマホを使う以上は我々もデータを抜かれると思った方がいいですよ。
便利だからといって位置情報を押したら、どこにいるかがわかってしまうわけです。スマホで決済をしようものなら何を買ったかわかってしまう。ヨーロッパの気持ちはわからないではないけれど、罰金を課したからといって変わるわけじゃない。

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