FRB議長利上げ意欲～見通せない貿易戦争の影響

By - NEWS ONLINE 編集部　公開：2018-07-18 　更新：2021-01-28

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」（7月18日放送）に数量政策学者の高橋洋一が出演。FRBパウエル議長の発言した段階的な利上げについて解説した。

FRBのパウエル議長が9月の利上げに強い意欲

アメリカの中央銀行にあたる連邦準備制度理事会FRBのパウエル議長は昨日、議会上院銀行委員会で証言し、段階的な利上げの最善の策と述べ、9月の利上げ実施に強い意欲を示した。

飯田）FRB、日本における日銀と同じ位置付けということなんですけれども、当面はとりあえず利上げをするということは言ったようですけれどね。

高橋）金融政策ですね。これは難しく無くないことです。失業率が下限になったら後はインフレしか残らないので、どのくらい下限かということは推計しますが、アメリカの場合、失業率の下限は大体4%かそれをちょっと下回るくらいです。それより下は下がらない。後はインフレ率が上がるだけなんです。更に今後を見ると、トランプの減税とか、公共投資がある。これ議会でその財政を支出するんでしょう、減税するんでしょうということで、金融は引き締めないとうまくいかないという、そういうレベルだと思いますよ。
日本もそうしたらいいのですよ。日本は財政が出なくて、日銀もあまり金融緩和しないっていうのが最悪で、財政が出過ぎてそれをちょっと抑えるくらいだといいと思いますね。

飯田）この議会証言の中で一つ心配な点としては、トランプさんがいろいろなところに関税をかけるという貿易戦争、その影響は見通せないということですね。

トランプ大統領の仕掛ける貿易戦争の影響が見通せない

高橋）ちょっと難しいですよね。貿易戦争をどこまでやるかもわからないし、政治的な話ですからね、ちょっと見通せない。でもアメリカって内需の大きい国ですよね、外需はあまり無いからアメリカの経済への影響は限定的だと思います。
世界経済にとっては大変かもしれない。名指しされた中国とか大変かもしれないですね。あとEUともがつがつやっています。日本だけはなぜかトランプさんあまり言わないのですが。安倍さんとの関係で、いまのところは日本は良いポジションだろうということでしょう。

飯田）あの、FFRと呼ばれる、日本は茂木さん、向こう側は通商代表部のライトハイザーさん。この2人で実務的にゴリゴリやるという場を作ったと。ここにすべて任せると。

高橋）そうでしょう。まあずっと何かやっていればいいという感じで、あまり日本とアメリカはそんなにぎすぎすした感じはいまのところは無いですよね。でもトランプさんEUでもすごいこと言ったりロシアでもすごいこと言ったり本当にアメリカファーストやっていますからね。日本が巻き込まれたらいけないなという感じです。

飯田）自動車の関税について何か来るとちょっと厳しい。

高橋）中国は現地生産していませんが、日本は一応現地生産していますから。それもインディアナ州で。ペンス副大統領の地元ですからね、そこでばっちり雇用作っているという実績がありますからね。最後ペンスさんに頼むかもしれませんね。

飯田）そういう意味でいろいろなパイプは…。

高橋）ありますね。あと手もあります。だからもしメキシコに作るならアメリカに移すとかね。いろいろできますからね。

IMFが日本に増税をせよと言う実情

飯田）IMF国際通貨基金が世界経済見通しというものを出しておりますが、この成長率通し3.9%と。日本に関しては基本的に変わらずの数字だったようですけれども。

高橋）ちょっとひょっとしたら消費増税するんですから下がっちゃうような気がするんですけどね。IMFは増税大好きですから、案外そういうのを考慮しないかもしれませんけどね。

飯田）これIMFがやたらと日本経済についてはとにかく増税をしろ、増税をしろと言うのはなぜですか？

高橋）それはIMFの人が財務省の人だからですよ（笑）。だからIMFが言っているのではなくて財務省が言っているのですよ。でもIMFの職員として言っているから日本のマスコミにインタビューで答えるときIMFになってます。

飯田）IMFの理事とかで出て来るんだけど、あれ日本人じゃんっていうのがたまにありますよね。

高橋）その人も全部日本人ですよ。理事室なんて行くと日本語ですよ、全部。

飯田）IMFのトップのラガルドさんなんかは、ギリシャとかに対してどんどん増税をしろとか強いことを言ったが為に、景気相当悪くなっちゃったっていう反省から、余り最近言わなくなったか感じもありますよね。