最高裁判事にカバノー氏指名~トランプ政権に与える強い影響

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月11日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。日米の最高裁判事のシステムの違いと、米における政治的影響について解説した。

ブレット カバノー 連邦 高裁 判事 ワシントン 握手 トランプ 米 大統領

ワシントンで握手するトランプ米大統領(右)とブレット・カバノー連邦高裁判事(アメリカ・ワシントン) 2018年7月9日 写真提供:時事通信

トランプ大統領が最高裁判事に保守派のカバノー氏を指名

アメリカのトランプ大統領は今月末に退任する連邦最高裁判所の判事のアンソニー・ケネディ氏の後任に、ブレット・カバノー氏を指名した。カバノー氏は共和党に非常に近い、保守的傾向があるとされている。

飯田)アメリカの最高裁判事には、任期がないですよね?

高橋)終身制で、これがポイントです。今度辞める方も、81歳の高齢で辞めるということですから。
アメリカは9人ですが、日本の最高裁は15人です。認証官というやつで、人事なのです。おまけに定年が70歳と決まっている。60過ぎの70前の人がなるので、けっこう人数も多いし、回転も速い。

アメリカの場合最高裁判事の思想が政治に大きな影響を与える

高橋)アメリカの場合、9人だし、終身制ですから、回転がすごく遅い。アメリカは認証官ではなく、上院が認証する政治プロセスが入っています。これはすごく大きなポイントです。トランプは任期が長くても8年で、最高裁はもっと長くやる。だから、大きな長期的変化は、実は最高裁の方が、どのようなメンバーになるのかが重要なので、アメリカの政治家はみんなスゴく関心を持っています。
日本では最高裁はぜんぜん関係ないと思っているけれど、アメリカは違憲審査を積極的にやっています。それで、政治的に保守系か否か、いろいろな意趣は最高裁で決まってくることが多い。アメリカで政治学を勉強すると、「最高裁の9人の判事の名前を全員知っている」は常識です。何歳で、どういう思想とか。

飯田)妊娠・中絶とか?

高橋)中絶が1番大きな課題ですね。日本だと中絶の話は全然政治的意趣になりませんが、アメリカの保守系の場合は、「中絶は絶対にダメ」です。女性の権利を尊重する人は、「中絶オーケー」ですから。まったく保守系とリベラルが違ってきてしまいます。

飯田)他にも銃規制とか大麻解禁とかね。

高橋)たくさんありますね。

今回の人事はトランプ氏の支持基盤である保守派を喜ばせる結果につながる

高橋)トランプは大したこと無いですが、これを選ぶことにより、保守系でトランプ色がずっと続くかもしれないのですよ。そういう意味で、大きな問題になっています。

飯田)これにより、日本に対して貿易などで何か影響はもちろん無いと思いますが、中間選挙を前にした保守派の方々からすると、「トランプ、よくやった!」と?

高橋)完璧にそうでしょう。いままでは4対4で、中立が1人だった。その中立の人が保守系の人に代わるから、今度は5対4になる。つまり保守系の主張が通りやすくなる。トランプは特に支持基盤である保守系にとっては、ものすごく喜ぶ話ですね。

飯田)最高裁の判決も政治で決まる。なかなかスゴいですね。

高橋)そこがアメリカ的ですね。

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