米上院補選でムーア氏敗北~セクハラ疑惑がいかに選挙に影響したか
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12月14日(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④
不倫に時効はない
7:18~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター佐藤優(元外務省主任分析官・作家)
アラバマ州上院補欠選で民主党ジョーンズ候補が勝利
アメリカ南部アラバマ州で12日、上院議員の補欠選挙が投開票され、民主党候補が大接戦の末、わいせつ疑惑が浮上していた共和党候補を破って勝利。強力な保守地盤のアラバマ州で民主党が上院の議席を獲得するのは四半世紀ぶりのこと。
アラバマ州で上院議員の補欠選挙が行われて、民主党候補のダグ・ジョーンズ元連邦検事(63)が共和党候補のロイ・ムーア元アラバマ州最高裁判所長官(70)を破って勝利しました。得票率の差は僅か1.5ポイントでした。
共和党の敗北で上院の議席は共和党が51、民主党49と一層伯仲しまして、共和党が重要法案で困難な調整を迫られるのは必至です。この共和党のムーアさんという候補は地方検事補時代のおよそ40年前に14歳の少女の身体を触ったと報じられまして、複数の女性が10代の時に性的嫌がらせを受けたと名乗り出ておりました。
共和党内では元々保守強硬派、過激な主張のこのムーアさんの擁立に反対意見も根強く、セクハラ疑惑でさらに出馬撤回も求めることも挙がっていたんですが、トランプさんはその反対を押し切って支持を打ち出しんですが、失敗ということになりました。
アラバマ州は去年の大統領選ではトランプさんがクリントンさんに30ポイント近い大差で勝利した伝統的な保守地盤なだけに、共和党の衝撃は大きい。それからトランプさん本人のセクハラ疑惑についても、先日セクハラされたと訴える女性3人が記者会見して、連邦議会に調査を求めています。
セクハラのローカルルールはもう通用せず、倫理に時効はない
高嶋)佐藤さんが仰るところのローカルルールはもう通用しなかった。
佐藤)通用しないということだと思いますね。実は数年前にね、ある女性編集者から聞いたんだけども、その当時教育を担当する閣僚、それと会ったら挨拶代わりにお尻触られたと。そんなの訴えろって言ったんだけども、何となくいやーっていう感じだったんだけども。あるいは外務省でもね、後輩から何とかっていう大使にダンスしてくれって言われて耳舐められたとどうしたら良いんだと。こういうようなことっていうのはやっぱり閉鎖空間の中では横行してるわけですよ。しかしそれがいよいよできなくなってきたっていうのはこういうことですよ。倫理に時効はないですから。
高嶋)すごく昔のことを訴えられて、それに続いて「Me Too現象」が起きて私も私もというような、それでにっちもさっちも行かなくなっちゃうんですね。
佐藤)それでその種のことっていうのは大体加害者は記憶してないです、被害者はずっと覚えてますから。倫理に時効はないって新しいルールが入って来てるんです。ですからこの種の話は絶対に時効はないと、そういうことですよね。
スタートがダーティなイメージのトランプ大統領の強み
高嶋)だけどトランプさんも何だかんだと言われ始めて来てると、これ結構、より面倒なことになりますよね。
佐藤)ただしね、トランプさんっていうのはものすごいダーティなイメージがあるでしょ。なんかモスクワではロシア人の女性を集めて黄金シャワーとかやったとそういう風な噂。おしっこ出すの見て喜んだって。
そういう風な噂で洗礼されてるでしょ。そういうようなダーティなイメージがあるから、トランプがセクハラをしたと言ったって、それに関して意外感はないんですよね。酷いやつだと思ったけどやっぱりかと。それに対してクリントンさんのような清潔なイメージで奥さん大切にしてるように見えて不適切な接触があったと、断じてセックスはしてない、しかし口で…みたいなことになると物凄いイメージ悪いでしょ。だからスタートが悪いっていうことでトランプ得をしてますね。高嶋)だけど上院これやばいですね。競っちゃいましたね。
佐藤)まずいですよ。だからエルサレムとかで頑張っちゃうんですよ、逆に。
高嶋)51対49になっちゃったんですから。
佐藤)まずい状況です。
高嶋ひでたけのあさラジ!
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