『駐在刑事』プロデューサー阿部真士の語る「ドラマの醍醐味」
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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に、ドラマプロデューサーの阿部真士が出演。ドラマをつくることの醍醐味について語った。
黒木)今週のゲストはドラマプロデューサーの阿部真士さんです。
いよいよ始まりましたね、テレビ東京金曜8時ドラマ『駐在刑事』。「どうなって行くんだろう」って、台本が待ち遠しかったです。
阿部)それなりに面白いものにはなっているのかなと思っています。
黒木)第7話で終わりなのですよね。
阿部)控え室で、「これ、ちゃんと最終回ですべて回収できるの?」という話が役者さんから聞こえます。確かに最終話が大変ですね。いろいろな謎がどんどん膨らむだけ膨らんで、それが一体どうなるのかというところが。
黒木)でもきちんと着地しているではないですか。1時間のなかで起こる事件があって、横の軸があって、私が寺島さんと絡む縦の軸があって。この横の軸と縦の軸が、「大丈夫? 視聴者の方分かってくれるかな?」という心配もありましたが、それがまあ絶妙に…。
阿部)そうですね。特に第5話が転換の話ですよね。
黒木)そうですね。
阿部)キャスティングをしていて、プロデューサーとして面白いことは、脚本のさらに上の、想像を超えて来るお芝居をしてくださることはとても面白い。今回の2話でも、黒木さんはもう少しクールで、抑えながらお芝居をするのかなと思っていたのですが、予想をはるかに裏切るとても素晴らしいお芝居をしていただきました。
黒木)大丈夫なら良いのですが(笑)。ただ、演じていくと、自分の方がその人物、キャラクターを以前から知っているようになるのですよね。
阿部)そうですね。
黒木)だから「綾乃さんのことは私に聞いて」というくらいに、コントロールができる。演じていると、綾乃は体の奥に、いつ爆発するか分からないマグマを持っている女ではないかと、やっているうちに感じたのですね。だから2話なんかも、やるせなさというか、上手く行かない人生というものが出たのかな。綺麗なだけではなくて、「人が持っている見せたくない醜い部分」が出たら面白いな、と思いながら演じていました。
阿部)流石ですね。
黒木)いえいえ、そんな(笑)。でもドラマって、生身の人間が演じるので、そういうことってありますよね。
阿部)あります。脚本家も「そんなことは意図してなかったのに」という化学反応が起きるのが、現場だと思っているので。
黒木)それが相乗効果になるときは良いのですが、ダメなときもありますよね。
阿部)ダメなときもありますね。「100点満点の台本を作ったのに、演出とお芝居で70点にされた」ということも、もちろんありますけれども。
黒木)なるべくそうならないように、私も頑張りたいとは思います。
阿部真士(あべ・まさし)/ ドラマプロデューサー■東京都出身。東京理科大在学中から専門学校で映像制作を学ぶ。
■制作会社を経て、2007年、テレビ東京に入社。制作局ドラマ制作部所属。
ドラマ「モテキ」「みんな!エスパーだよ!」「東京センチメンタル」
「オー・マイ・ジャンプ!」「三匹のおっさん」「パンセ」「娘の結婚」などを担当。
■今年10月からはテレビ東京・金曜8時のドラマ「駐在刑事」がスタート。
地上波連ドラ初主演の寺島進さんが座長を務める。
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