米中貿易交渉~その先にある米中のサイバーセキュリティ抗争

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月12日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。米中の閣僚が電話会談をした報道を受け、オバマ政権時代に提出された議会報告書について解説した。

米中貿易交渉~アメリカと中国の閣僚が電話会談

アメリカのライトハイザー通商代表とムニューシン財務長官が、昨日中国で貿易交渉を担当する劉鶴副首相と電話会談を行った。米中の貿易交渉についてはカナダ当局がアメリカの要請で中国の通信機器大手ファーウェイの幹部を逮捕したことを受け、先行きが懸念されている。

飯田)先行き懸念と言うと、この報復かどうかはまだ確定は出ていないのですけれども、カナダの元外交官の方が中国で拘束された。逮捕容疑もよく分かっていないということです。

高橋)中国らしいなという気もしますけれど。やられたらやり返すのでしょうね。

飯田)日本でも漁船衝突がありましたが、あのときも不思議なことに日本のビジネスマンが中国で拘束されていましたよね。

高橋)そういう国なのですよ。私も中国に行かないようにと、ときどき注意されます。普通の観光気分で写真を撮っていても、中国国内法ではしょっ引いても大丈夫なのです。

飯田)「ここに機密が映り込んでいるじゃないか」と言えば。

高橋)何でもできるような法律になっていますから。私はこれもカントリーリスクの1つだと思っています。

ファーウェイ 米中貿易戦争 米中 電話会談 ムニューシン ライトハイザー 劉鶴

中国広東省深圳市にある華為技術(ファーウェイ)本社キャンパス(ゲッティ=共同)=2018年12月7日 写真提供:共同通信社

これは米中の貿易問題ではなく軍事問題

飯田)この米中の角の突合せ、ファーウェイの件は、貿易だけの話ではないということが持ち上がりましたが。

高橋)違います。これはもともと2012年に議会の報告書で、ZTEとファーウェイがマルウェア(不正ソフトウェア)を埋め込んで、いざというときには盗聴して社会インフラを混乱に貶めるという報告書がありました。それに従っていることです。オバマ大統領のときは最初はやらなかったのですが、後半からは少しやり出した。トランプ大統領になってその報告書をベースに強烈にやっています。
ビジネスから行くと5Gの主導権争いという言い方をしますが、もう少し先の軍事の話です。軍事では、コンピューター関連のものはすべて必須ですからね。その中心に中国企業が入って来るのは困るというのがアメリカの主張です。

飯田)オバマ政権の時代に報告書が出されていたということだと、トランプさんが無体なことをやっているという批判は当たらないのですね。

高橋)オバマ政権のときに出たものを、忠実にやるかやらないかがオバマさんとトランプさんの差ですよ。

飯田)トランプさんの方が忠実にやっている。議会との関係もトランプさんはムチャクチャだ、みたいに言われることもありますが。

高橋)オバマさんがやっていないことをやっている、という見方の方が正しいと思います。

飯田)そう考えると、報告書がもう6年も前に出ていて、それに従ってやり始めた。この先は長く続くということですか?

高橋)続きますよね。貿易赤字の話ではなくて、安全保障の観点ですから。ファイブアイズという協定を結んでいる5カ国があります。アメリカとイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド。これは必ず並ぶし、日本はその次の位置づけですから、大体入って来ます。だから先は読めますよね、日本が政府調達でファーウェイを排除したというのは既定路線です。

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