安倍総理、オランダ・イギリス訪問~メイ首相とはTPP交渉か
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月9日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。安倍総理の今年最初の外遊となるオランダ・イギリス訪問について解説した。
安倍総理がきょうからオランダとイギリスを訪問
安倍総理はきょうからオランダとイギリスを訪問する。訪問先ではオランダのルッテ首相とイギリスのメイ首相それぞれと会談。今年6月大阪で開かれるG20サミットに向けての協力や、北朝鮮情勢を含めた共通の課題について話し合う。
飯田)今年最初の外遊ということで、オランダ、イギリスに関して言うと去年の12月上旬にアルゼンチンで行われたG20の後に行くのではないかとも言われていましたけれど、それが無くなってこちらに回って来たということですが。ここで話すのはイギリスのEU離脱とかその辺ですか?
高橋)イギリスをTPPに入れたいのではないですか? アメリカが抜けてイギリスが入ることはTPPの格上げには良いし、イギリスの方もEU離脱ということでいろいろな措置が欲しいでしょうから、EU離脱をして環太平洋のTPPに入ると言うのは、それはそれでお互いにウィンウィンの可能性があります。
飯田)イギリスとは軍事的な話合いなどもやるという話が、きょう読売新聞に出ていましたけれども。
高橋)それはあるでしょう。やはり有数な軍事力のある国ですから。アメリカと共に共同の演習くらいの話はすぐに出るのではないですか。そしてメイさんと安倍さんはけっこう波長が合うのですよ。安倍さんはメルケルさんとは話が合わなかったらしいですけれどね。それに比べるとかなり合うみたいです。
飯田)折りしもメルケルさん、メイさんと言うと、いまガチンコでぶつかりあう立場にありますものね。
飯田)いろいろな思惑があって、イギリスは話しやすいのではないですか。日本もイギリスには多く進出していますので、EU離脱した後どうなるのか心配ですからね。その辺りの経緯も話をすると思います。
次はダボス会議の前のロシア訪問か
飯田)この外遊から一旦帰って来て、今度はもう1度G20に先駆けてということでスイスのダボス会議にも向かうのですが、その前にロシアに行くのではないかと言われています。
高橋)いまは安倍さんもロシアのことで大変でしょうね、上手くいけば2島の話のとっかかりができる。でも大変だと思いますよ、領土の話ですから。この話はそう簡単ではないです。
飯田)平和条約を締結する、そして賠償権の放棄みたいなことをやるのではないかと、昨日あたり読売が一面で書いていました。賠償権の放棄はするけれども、主権の部分の主張は続けて行くのだと、けっこう玉虫色に近いことを言っていましたけれど。
高橋)日本の選択はたくさんあると思うのですが、それよりロシアが受けるインセンティブがまったくないのですよ。「受けたところで何の徳があるのですか」という話なので。ロシアはその得な話のところだけを言って来るので、お得な話だけを言えばいいとロシアは思っているし、折れる必要はないのですよ。いままでずっと何もして来なかったのですから、現情維持がロシアにとってはベストですよね。
飯田)それを日本としては何とか動かさなくてはならない。
高橋)70年間動いていなかった話なので、これを動かすのはそんなに簡単ではないと思いますけれど、プーチンさんと安倍さんのときにしかできないとお互いに言い合っていますからね。そこで何かの進展を期待している人が多いのではないですかね。
飯田)そのインセンティブとして見せたいのは共同経済活動ということですか。
高橋)もちろんですよ。特にロシアにとって極東は手薄になりますから。ロシアの国は東西に長いですよね。そして西の方が中心で、東の方はどうしても手薄になります。そこでお金だけもらうのがプーチンさんとしてはいちばん良いわけです。
飯田)その辺をどう交渉して行くのか、出て来ないことが多いでしょうけれどね。
高橋)これはそう簡単には行かないでしょうね。何らかの形で動いただけですごいことだと思います。70年間動いていないわけですから。これを少しでも動かすのが大変で、その解決はこれから30年、70年かかる。そういうレベルの話です。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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