東京オリンピック・パラリンピックの会場に再び潜入!

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ニッポン放送報道部あいばゆうな記者が、オリンピック関連施設の施設見学ツアーを取材した。2月12日に東京都が主催する、報道陣向けの2度目のオリンピック関連施設の施設見学ツアーが行われ、昨年夏の1度目に引き続き、視察に参加。見学した6つの施設を簡単に紹介する。

東京オリンピック・パラリンピックの会場に再び潜入!

建設中のカヌー・スラロームセンター(撮影・あいばゆうな)

・カヌー・スラロームセンター

その名の通り、オリンピックでカヌー(スラローム)が行われる、カヌー・スラロームセンターは、1月末時点の工事進捗率は74パーセント。報道陣は、まだ水の入っていないプールの中を歩いて視察を行いました。

東京オリンピック・パラリンピックの会場に再び潜入!

建設中の海の森水上競技場(撮影・あいばゆうな)

・海の森水上競技場

オリンピック、パラリンピックで、ボート、カヌー(スプリント)が行われる海の森水上競技場。一見なにもない、海を囲ったスペースに見えますが、囲われた水域の中は締切堤やコースの中にある消波装置などで、海洋のうねりや波をブロックするよう設計されているということです。1月末時点の工事進捗率は77パーセント。

 

東京オリンピック・パラリンピックの会場に再び潜入!

建設中の有明体操競技場(撮影・あいばゆうな)

・有明体操競技場

オリンピックでは、体操競技(体操、トランポリン、新体操)、パラリンピックではボッチャが行われる、屋根のアーチが印象的な有明体操競技場。国産の木材を多く利用し、日本文化の発信にも力を入れる設計になっています。

 

東京オリンピック・パラリンピックの会場に再び潜入!

建設中の有明体操競技場(撮影・あいばゆうな)

・有明アリーナ

有明アリーナは、オリンピックではバレーボール、パラリンピックでは車いすバスケットボールが行われます。お隣の有明体操競技場とは逆の、天井がくぼみ、両端が反りあがった逆アーチ形の設計になっています。この屋根は、周囲のマンションに日光が反射するのを極力防ぐ設計なのだとか。1月末時点の工事進捗率は51パーセント。

 

東京オリンピック・パラリンピックの会場に再び潜入!

建設中の東京アクアティクスセンター(撮影・あいばゆうな)

・東京アクアティクスセンター

オリンピックでは水泳(競泳、飛込、アーティスティックスイミング)、パラリンピックでは水泳が行われる、東京アクアティクスセンター。辰巳の森海浜公園の北東の一角に建設されていて、1月末時点での進捗率は55パーセント。

 

東京オリンピック・パラリンピックの会場に再び潜入!

建設中の選手村の住宅棟(撮影・あいばゆうな)

・選手村

選手村の住宅棟に1月末時点の工事進捗率は73パーセント。大会期間中はセキュリティーゾーンとして、一般の人は入ることができないエリアとなります。オリンピック時には18000ベッド、パラリンピック時には8000ベッドのベッド数となる予定。

今回視察した施設は、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下、大会組織委員会)が「東京ベイゾーン」と位置付ける、東京湾のエリアに密集しています。大会組織員会は、東京体育館や国立代々木競技場などを含んだ、1964年の東京大会のレガシー(遺産)を引き継ぐ「ヘリテッジゾーン」に対して、「東京ベイゾーン」は都市の未来を象徴するとしています。

視察では、どの施設も、設計も見た目も個性があり、世界から選手を迎え入れるのにふさわしい立派な仕上がりになるのだろうと感じましたが、私が気になった点は、「東京ベイゾーン」に密集するレジャー施設は、大会後に黒字経営されていくのだろうかということです。

都のホームページで公開されている新規恒久施設運営計画(概要)を見てみると、資料の中にある6施設のうち、年間収支でプラス3.6億円の試算が出ているのは、有明アリーナだけ(大会後は国内外のスポーツ大会やコンサートなどの利用を予定)だということが分かります。

見学した施設の中で、上記の運営計画の年間収支試算がマイナスになっているのは、カヌー・スラロームセンター、海の森水上競技場、東京アクアティクスセンターの3施設です。

カヌー・スラロームセンターの年間収支は約1.9億円のマイナスで、主な収入源として見込まれているのは、競技大会での施設利用料や水上スポーツ体験や水上レジャー、水難救助訓練などの一般利用による収入です。
また海の森水上競技場は約1.6億円のマイナスで、主な収入源として、競技大会や合宿などでの施設利用料や宿泊料、ボート・カヌー教室、都民参加イベントなどの一般利用を挙げています。
そして東京アクアティクスセンターは約6.4億円のマイナスで、主な収入源は競技大会などでの施設利用料の他、プールやトレーニング室、スタジオを活用した事業の一般利用などを見込んでいます。
いずれも、今後の運営事業事業者選定の中で提案を募るなど、収益向上策を検討するとしています。

赤字のレガシーならいらない。大会に向け、施設が完成するところで終わりではなく、大会が終了した後も施設がどのように活用されるのか、今後の収益向上策が注目されます。

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