ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月4日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。オリンピック期間中の交通渋滞対策として、大会組織委や東京都が検討している首都高速の値上げについて解説した。
首都高~オリンピック期間中は500円から3,000円値上げへ
2020年東京オリンピック・パラリンピックで課題となる交通渋滞対策で、大会組織委員会や東京都などは、大会の期間中、首都高速の通行料金を上乗せする方針を固めました。競技がある日中を中心に、上乗せ額は500円から3,000円まで複数案を検討しているということです。
飯田)大会期間中、選手のスムーズな移動も重要ですけれど、物流が止まると日本経済はガタガタになります。
須田)さりながら、東京都内を通過する輸送車に関して言いますと、通過する必要もないのに最短距離を通るために通過しているケースも多い。だから環状線が迂回するために利用されているのですが、そこを更に制限していこうというものです。
どのくらい上乗せするのか値上げするのか。例えば500円上乗せするよりも3,000円上乗せする方が利用者が減るという、数で調整するのでしょうが、3,000円も値上げするとなると、私のように東京の中心部で生活している人間には「首都高速を使うな」ということなのかと思いますよね。
予想される一般道の混雑~対応をどうするか
飯田)首都高が使えないとなると、一般道の混雑がより激しくなると予想されます。
須田)みんなが回避するとそうなります。うちは昭和通り沿いで、昭和通りの上には首都高が走っているのですが、昭和通りは首都高の迂回路にもなっていますから、値上げの措置が取られると大混雑するだろうと思います。
飯田)昭和通りは比較的広くとってあって、3車線くらいありますけれど、みんなそこに殺到してしまいそうです。
須田)一般道路の対応をどうするのか。やりやすいのはナンバー規制という考え方もあると思います。これは中国、韓国でも行われた規制で、例えばこの時間は下一桁偶数のナンバー以外は入ってはいけませんと規制するものです。ただ、都心部に居住している人には、何か特別な通行許可証を掲げて走るとか、ある程度の融通は必要です。そうすると通行許可証が売買の対象になったり、貸し借りの対象になったりする可能性が出て来る。その辺でどう公平公正さを担保するのかが、この手の政策を導入するにあたって重要なポイントだと思います。
飯田)環状線で一部途切れているところもあったりしますから、それを2020年までに整備できれば、ある程度都心部への車の流入も制限できるのかもしれない。
須田)そこの整備を早急に進めるということと、あとは情報です。どこの道路が混んでいて、どこの道路は通過するのにどのくらい時間がかかりそうなのか、そういった情報をどう発信して行くのか。いまは道路上の電光掲示板で情報が示されていますが、ネットがこれだけ発展しているわけですから、そのあたりをどう活用して行くのかが問われているところだと思います。
そもそもの原因は築地市場移転の延期
飯田)そもそもの問題を思い返してみると、環状2号線を整備して各競技場と選手村を直結できるという計画だったのが、築地市場の移転が延び延びになったせいで、ドミノ倒しのようにここの工事も進まなくなった。その結果、首都高を使って選手たちを移動させるようになったために、この問題も出て来てしまっている。そこを言わなくなっていますね。
須田)小池知事の責任は重大で、東京都の負担はどうするのでしょうか。この問題に対して東京都はコスト負担をして行くのでしょうか。そのコスト負担も都民の税金ということになりかねない。このことも東京都はちゃんと情報発信しなくてはいけません。
飯田)これは新聞がリークではないですけれど、じわじわ週末に出て来たような話です。
須田)既成事実を押し付けるかのようです。小池知事のケツを我々が500円から3,000円上乗せした金額を払って拭うのかということになります。
飯田)何とも釈然としないところがあります。オリンピックが近づいていますから、何かやらなければいけないのでしょうけれど。
須田)オリンピックを成功させるということは誰しも賛成するところですが、だからと言ってその責任をあいまいにしていいということはないと思います。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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