東京オリンピック~山積みの課題をどう処理していくのか?

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月29日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。東京オリンピックについて解説した。

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ANOCの総会に臨む(左から)JOCの竹田恒和会長、IOCのバッハ会長、安倍首相ら=2018年11月28日午前、東京都内のホテル 写真提供:共同通信社

ANOC(各国オリンピック委員会連合)~東京都内で総会が開幕

ANOC(各国オリンピック委員会連合)の総会が昨日、東京都内で開幕した。会議には206カ国と地域のオリンピック委員会や国際競技団体からおよそ1,400人が参加。東京大会の組織委員会は最終日となるきょう、準備状況を報告する。

飯田)各国の、国内のオリンピック委員会。日本のJOCとか、そういう組織の連合です。IOCのバッハ会長は昨日、日本の組織委員会を激励に行きましたが、「準備がどうなっているのか?」とか、見られるわけですね。

鈴木)そうですね。「よく頑張っている」とバッハ会長も言っているそうです。

誰が複数の団体の利害関係を調整していくのか~山積みの課題

鈴木)しかし、日本でオリンピックをやる場合は、組織委員会、東京都、国(政府)、そしてJOC(日本オリンピック委員会)。この4団体が1つになって行うことになります。
では、この団体が必ずしも仲良く手を握って「一緒に頑張ろう!」とやっているかと言うと、そうではありません。組織委員会の森会長と小池さんはいろいろあったし、予算をどこが出すかについても、会計検査院からこの前「少し予定より多いのでは?」と指摘があったりしました。こういうツケがいずれどこに回って来るのか。
それから、民間企業も含めて、このオリンピックに参入して来ますから、露骨な言い方ですが「利権」がある。例えばイベントや競技の整備とか、いろいろなことに利害がある。いま取材中なのですが、利権でがんじがらめで、1歩も動けないような状況の分野もあるのです。だから、そういうところも調整する必要がある。
では、誰が調整するのか。小池さんなのか、森さんなのか。ここがモメていたら、安倍さんが前の国立競技場のときのように、ひょいと出て来て調整しなければならないかもしれない。もちろん前には進んでいますが、まだまだ問題が噴き出してもおかしくない難しさがあります。

現状は絵に描いたような縦割り行政になっている

飯田)オリンピックを開催する各競技場の進捗状況について、東京都が主催したプレスツアーみたいなものがあったので、行きました。豊洲市場の先のところにバレーボールやバスケをやる会場があって、その向こう側には体操をやる仮設競技場がありました。仮設競技場について質問したら、「そちらは組織委員会がやっているから分かりません」と言われました。これが縦割り行政ですね。

鈴木)象徴的ですね。ある東京都の団体が「開会式でこういう東京らしい演出はどうか」と企画を持って行ったら、「それは東京都じゃなくて組織委員会にお願いします」とかね。そういう話がたくさんあるから、その辺の調整も必要です。

北朝鮮や韓国にどのような対応をしていくのか

鈴木)もう1つ言いたいのは、やはり北朝鮮です。これは前の平昌オリンピックでもそうでしたが、北朝鮮をどういう形で迎え入れるのか。そのときに日本と北朝鮮の関係はどうなっているのか。
それから、「合同チーム」になった場合、韓国と北朝鮮がセットになりますよね。いま韓国と日本はいろいろ問題があるけれど、北朝鮮と1つの固まりとして日本との外交問題も抱えながら、オリンピックにどう参加するのか。この辺の調整も難しいところがある。
だから、表向きには「いいですね」という総会になっているけれど、内情はまだまだ課題が多いと思います。

飯田)確かに、統一旗1つ取り上げても、そこに竹島があると「政治利用しているじゃないか」となる。

鈴木)それを日本はどうするか。「スポーツだからいいよ」と受け入れるのか、しないのか。非常に難しい判断が今後もありますね。

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