米朝首脳会談~日本が北朝鮮と交渉する糸口はあるのか?
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月27日放送)に電話ゲストとしてデイリーNKジャパンの高英起が出演、2回目の米朝首脳会談について解説した。
きょう2月27日から2回目の米朝首脳会談
2回目となる米朝首脳会談が2月27日、ベトナムのハノイで始まる。アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長はすでに現地に入っている。会談は2日間の予定で、トランプ大統領が、北朝鮮の非核化に向けた具体的な措置を引き出すことができるのかが焦点となる。
飯田)本日2月27日の夕方からは通訳のみを交えた会談、その後夕食を共にする予定です。ここで、北朝鮮情報サイトデイリーNKジャパンの編集長、高英起さんと電話が繋がっているので、お話を伺ってみたいと思います。
高さん御自身はこの会談をどうご覧になっていますか?
高)どこまで政治ショーとして終わってしまうのか、それとも中身があるのか。あるのなら、その中身が日本にとって良い物なのか悪い物なのかというところですよね。
飯田)高さんはご指摘されていましたが、アメリカの考える着地点と日本の国益は大分離れて来ていますかね。
高)私はかなり離れていると思っています。
飯田)やはりアメリカとしたら、ミサイルが自分のところに届かなければ良いというところに持って行きたいのでしょうか?
高)アメリカはそこがいちばん問題なわけですから。もちろん北朝鮮が核を持っているのが問題ですが、それが届くか届かないかということは別問題です。パキスタンも核爆弾は持っているけれども、特別にアメリカと対立しているわけでもないし、アメリカに届くわけでもない。アメリカがそのことにそれほど神経を尖らせていないとなると、いちばんの問題はICBMと長距離弾道ミサイルになると思っています。
高橋)その通りですよね。そもそもアメリカとロシアは、中距離のところはフリーにする方向になっています。アメリカもロシアも中国もフリーだと、北朝鮮だけ制限するのはロジカルには難しいですよね。
経済解除された場合、北朝鮮にとって日本と付き合うメリットがなくなる
飯田)一方で核についてある程度制限を加えた場合には、見返りとして制裁の解除や経済的な支援の話が出ているではないですか。北としてはそうなると今後どうなると思いますか?
高)制裁解除もしくは緩和されれば、積極的に経済活動に出るでしょうが、それで北朝鮮が経済大国になるということはないと思います。問題はそうすることによって、北朝鮮にとって日本と関係を築くメリットが少なくなってしまう。北朝鮮が日本に求めているのは、拉致など何らかの問題の見返りですから。見返りが必要なくなるということになると、どんどん北朝鮮と日本の間が離れて行くのではないかと思います。
飯田)過去の例を見ると、アメリカとの関係も何もかも行き詰ったときに日本に声をかけて来るところがある気がしますが、そうなるシナリオはだんだん薄れて来ているということですか?
トランプ大統領が再選しない場合も考え、日本は前のめりにならない方が良い
高)アメリカが直に話しているので、日本のつけ込むすきがないという現実もあるのですが、だからと言って私は日本で言われているほど焦る必要もないのではないかと思います。今回の米朝会談で丸くまとまる可能性が高いと思っていますが、これはあくまでも金正恩氏とトランプ氏の関係だけであって、トランプ氏が再選するのかどうか。しないで別の大統領になったらわからないですよね。そうなったときに変に前のめりになってしまうと、あとで不都合なことが起こるかもしれません。もうちょっと落ち着いても良いと思います。
日本が北朝鮮と交渉する糸口
飯田)日本が独自に北朝鮮とやって行くとしたら、どうしたらいいですかね。どういう糸口があるとお考えですか?
高)糸口ははっきりしています。水面下で日朝は交渉を進めているわけですから。問題は拉致問題などを日本がどこまで北朝鮮とその部分について話し合えるかです。先日、拉致被害者の田中実さんの話も出て来ましたが、それについても、いまの安倍政権はスルーしているのかどうなのか分からないのですが、そういったことを着々と進めるべきですよね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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