ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」（3月18日放送）にジャーナリストの須田慎一郎が出演。JOC会長の退任について、その背景を解説した。

JOC・竹田恒和会長　東京五輪招致疑惑について会見 ＝2019年1月15日　写真提供：産経新聞社

JOC竹田会長、退任へ

2020年東京オリンピック・パラリンピックの招致を巡り、フランス司法当局から贈賄容疑で捜査されているJOC日本オリンピック委員会の竹田恒和会長（71歳）が退任の意向を周囲に伝えていることがわかった。後任候補には柔道の金メダリストでJOC選手強化本部長の山下泰裕氏（61歳）などの名前が挙がっている。

飯田）JOC会長は6月に改選の時期を迎え、本人もオリンピックまでの続投を望んでいたのですが、この一連の疑惑発端に資質を問う声が上がっていた。報道によればIOC国際オリンピック委員会からの圧力もあったというようなことも報じられています。

須田）私が聞いている範囲では、IOCからの圧力かどうかは別として、働きかけがあったとは聞いています。その背景にはフランス捜査当局による贈賄事件の操作が進んでいて、ここが確定要素になっているのかなと思います。今後これがどういう展開を見せるのか、まったく読むことができない。
このあたりの情報は出ていませんが、フランス当局は本気だという話もありますから、これが現職のIOCのトップに波及することになれば、東京オリンピックも相当厳しい状況になりますからね。ここは一旦節目を付けて、新しい体制で来年の東京オリンピック開幕に臨んだらどうだという流れになったのだと思います。

飯田）オリンピック招致を巡る疑惑はどの大会でも出るのですが、出るのは大会が終わった後ということが多いのですが、今回は前ですね。

ANOCの総会に臨む（左から）JOCの竹田恒和会長、IOCのバッハ会長、安倍首相ら＝2018年11月28日午前、東京都内のホテル　写真提供：共同通信社

疑惑の本丸はIOC～コンサルタント会社を指定したのはIOC

須田）問題とされているコンサルタント会社、ペーパーカンパニーと言うのか、幽霊会社とも言われていますが、なぜIOCはそのコンサルタント会社を指定していたのか。IOCの指定があったからこそ、そこを経由して様々なコンサルティング業務を依頼したという経緯があるわけですから、これはIOCも高みの見物を決め込むわけにはいかないのですよ。ある意味でトカゲの尻尾切り的な側面もあるのではないでしょうか。「自分たちに駆け上って来ないように」という思惑もあるのではないかなと思いますね。

飯田）確かに、シンガポールにペーパーカンパニーがあったと言われるあの会社ですが、JOC側としては、腕は立つという評判はあったところもありますものね。

須田）竹田会長サイドとしては、そもそもIOCの指定しているところじゃないか、あなた方が使えと言ったところじゃないかという反論があるわけです。しかし、そうするとIOCの方にも捜査当局のメスが入りかねない。IOCとしてはそれがいちばん嫌なところなのですよ。だからJOCがどうのこうのよりも、疑惑の本丸はIOCなのです。そこに捜査の流れの遮断をしておきたいという意図が働いたのではないでしょうか。

2020年東京五輪組織委員会・第28回理事会　竹田恒和理事＝2018年10月23日　写真提供：産経新聞社

竹田会長サイドが記者会見の席上で質問を受け付けなかった理由

須田）だから竹田会長サイドは被害者意識の方が強いのですね。そして自らの身の潔白を図るためには、そういったIOCとの間にどういうやり取りがあったのか、という問題にまでなって来てしまいますからね。記者会見の席上で、まったく質問を受け付けなかったのは、その辺りの思惑もあったのではないかなと思います。そこを説明してしまうと、これまた火が燃え盛ってしまう。そういう懸念があったのだと思います。

飯田）竹田会長自身もIOC委員を務めていることも考えると、その辺を併せ飲まないといけないけれど、納得はいかないと。それがあの会見7分間に現れたところがあったかもしれない。

須田）すべて説明すると大変なことになってしまう、というところがあったのではないかなと思いますね。

飯田）その辺をフランス当局がどこまで本気で追及して行くかというところですね。

須田）ですからそういった点で言うと、「もう終わったことだ」と。「前任のJOC会長の問題なのだ」ということにしたいのではないかなと思いますけれどね。

飯田浩司のOK! Cozy up！
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