スペイン北朝鮮大使館襲撃~声明を出した団体を支援している国は?

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月29日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。スペインの北朝鮮大使館襲撃事件について推測による持論を述べた。

金一族の世襲を断ち切る~脱北者の団体が声明へ

スペインのマドリードにある北朝鮮大使館に男たちが押し入り、コンピューターなどが奪われた事件について、関与を認めた団体“自由朝鮮”が28日、新たに声明をHPで発表した。韓国以外の国で活動している脱北者で作る組織だと明らかにした上で、「金一族の世襲を断ち切るという信念で集結した。北朝鮮国内の同志たちと共に行動によって金正恩政権を根本から揺るがす」と宣言している。

飯田)このマドリードの大使館襲撃、いろいろな憶測が飛んでいます。

宮家)きょうは珍しく憶測を中心に話しますから、眉唾で聞いただきたいです。まず「金一族の世襲を断ち切る」というのは本来は韓国が言うべき言葉でしょう。南北で対立しているのだから。ところが今回韓国政府は一言も言わないで、南北で話し合いばかりやっていて、逆に脱北者が「世襲を断ち切る」と言ったのでまず驚いたのです。
その次に、彼らは韓国以外の国で活動している脱北者、つまり韓国には住んでいないということです。だけどいくら北朝鮮とは言え、マドリードの大使館ですよ。警備もちゃんとしているはず。それを堂々と入っていってコンピューターを盗んで帰って来る。そんなこと、素人ができますか? 素人の仕業ではないですよ。脱北者のなかにもプロがいたのかもしれませんが、相当なプロ集団である可能性がある。少なくとも、自然発生的にできたとは考えにくいです。言っておきますけれど、これはあくまで私の推測ですよ。だけど、もし彼らが素人の集まりでないとしたら、どこかからプロの支援があってもおかしくないとは、普通に思います。どの国が支援しているのかは分かりませんが。韓国ではないみたいですよね。

飯田)韓国以外と言っていますからね。

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“自由朝鮮”を支援している国がある

宮家)そうすると中国? 中国なはずがないですよね。ロシアも違うし、中東の国というわけにもいかない。そうすると限られてしまいます。そういう形で見ると、やはり何らかの支援があるはずです。名前がそもそも「自由朝鮮」、なんてところを見ると、匂って来る国がありますが・・・。いずれにせよ、こういう形で北朝鮮の内政の綻びにつけ込もうとする動きが出て来たことについては、僕は悪くないことだと思います。ただ北朝鮮は相当嫌がるでしょうね。益々いら立つだろうなと思います。推測ですが、そんな感じがします。

飯田)スペイン大使館は北朝鮮にとって、それほど重要なのでしょうか?

宮家)北朝鮮にとっては、西側にいくつかある大使館のなかでも、ヨーロッパですから大事にしているのではないかと思いますけれどね。

飯田)大きな存在ではあると。

宮家)だとは思います。それはたまたまなのかもしれないけれど、暗号が盗まれた可能性があると報じられました。彼らだってサイバー攻撃するくらいですから相当な技術はある。それをもし盗ったとしたら、北朝鮮も外交通信の暗号システムを全部やり直さないといけなくなる。

飯田)コンピューターを奪われたから、そういうこともあるわけですね。

宮家)それだけでも、どういう暗号を使って、どういうアルゴリズムでやっているか全部わかってしまうわけですから。もし本当に手に入れればね。それはそれで北朝鮮には大きな打撃にはなるでしょう。どこの国が関与しているか、どこの国に支援者が居るか知らないけれども。まるでスパイ映画みたいでしょう?

飯田)本当ですよね。映画では見たことがありますが、そういう国が世界にはあるわけですね。

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