日本独自の北朝鮮制裁と直接交渉の重要性

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月21日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。第二回米朝首脳会談が物別れに終わった今、日本が対北朝鮮独自制裁を行う意義と、制裁だけではなく日本独自のアプローチが行われていることについて解説した。

日本独自の北朝鮮制裁と直接交渉の重要性

 

対北朝鮮独自制裁

自民党は昨日行われた外交安全保障に関する合同会議で来月中旬で期限を迎える北朝鮮に対する日本の独自制裁を2年間延長する政府の方針を了承しました。2回目の米朝首脳会談が物別れに終わって、非核化や拉致問題の解決に至っていないことから、一定の圧力を維持する必要があるという判断になりました。

飯田)独自制裁ですけど、いろんなところで北朝鮮はこれをすり抜けているというのがあったわけですが、日本としては厳しくしていくぞというところなのでしょうか。

鈴木)厳しくというよりは継続。今、日本は北朝鮮とどう向き合うか。米朝関係は一旦脇に置いて考えるべきだと思うんです。日本は直接、一対一のバイで北朝鮮と向き合わなければいけない。それが今のところ、いい手がない。安倍さんもに自分が前に出る、金正恩委員長と話をすると言ってますが、なかなか話が前に行かない。それでどうするのか。全体情勢をみたところ独自制裁は続けていこう、現状のままにしておこうということだと思います。ポイントなのは、独自制裁は継続するけれど、同時に一方で菅官房長官が国連の人権理事会で11年間、ずっと北朝鮮の非難決議をやってきたんです。ところが今回は見送ると菅さんが言いました。つまり一方である種の懐柔策もセットでやっている、ここを見なければいけない。米朝首脳会談の進展、次は絶対に進展があるだろう、これが決裂ではなくて次の段階があるのではないかとみる自民党の外交族は結構多いんです。だけれどもそれならばなおさら様子を見ないといけない。飴と鞭という表現がいいかどうかは分かりませんが、制裁と非難決議は見送るという、今はそういう膠着状態、様子見の状態だとみていいと思います。

飯田)第2回米朝首脳会談の内幕みたいなものが記事にされています。どうやらトランプさんは一括で全部解決みたいな、大きなディールをしようとして、「(金正恩委員長側が)飲まねぇんだったら帰るわ」と、すぐに決裂したという話が出てきていますよね。

鈴木)それはいろんな話が出ているからだけど、私が取材をした中での見方ですが、少なくともここで話を終わらせるわけにはいかないと思うんです。北もそうです。北はもっと差し迫っている。例えば経済の状態も考えると終わらせるわけにはいない。トランプさんにしてみると北朝鮮カードというのは自分の大統領選挙に向けて、国内政治へ向けての最高のカードなわけです。これだけ世界が注目しているわけですから。だからそういう意味ではこのカードを簡単に捨てるということはないと見た方がいいと思います。ある意味では継続、どういう形に落とし込んでいくかは別の話ですけど。ただポイントはやっぱり拉致問題を抱える日本としては、ずっと継続しているそこに合わせて待っているわけにはいかない。時間的にも。

飯田)家族の方々もご高齢です

鈴木)だから今は手詰まり感があるという風に実は政権幹部も言っているんです、北とのパイプについて。だけどありとあらゆるパイプを使って日本は独自のアプローチをする。アメリカを飛び越すことはなかなか出来ないかもしれないけれども、そこは日本独自の北朝鮮外交、その場合は韓国もうまく巻き込む形にしたいですけど、日韓関係は今よろしくないという、この辺をひとつひとつ、出来る限り急いで、直接北と交渉する流れを作るということですよね。

 

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