大雨洪水警戒レベル~警戒レベルはわかりやすく3までにするべき
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月30日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。大雨に関する気象庁による警戒レベルの運用が始まったニュースについて解説した。
気象庁による大雨洪水警戒レベルの運用が始まる
豪雨で土砂災害や洪水の危険が予想される際、気象庁が生き残るための行動を5段階で表示する大雨洪水警戒レベルの運用が5月29日から始まった。これは逃げ遅れで多数の犠牲者を出した2018年の西日本豪雨の反省を踏まえたもので、簡単にリスクの度合いを示すことで住民への避難の決断を促す狙いもある。
飯田)政府は避難指示や避難勧告を発表する市町村にも、運用を順序始めるように求めています。むしろ市町村が運用を始めなければ、なかなか浸透しないかもしれないですね。
鈴木)防災がテーマでずっとやっていますが、いろいろな考え方があります。この避難指示を含めて難しいのです。例えば市町村の組長や市長さん、町長さんが判断して行いますが、避難させた方が良いかなと思っても「避難しろ」と言うのは決断がいるのです。たいしたことがなかった場合、必ず文句が住民から出て来る。「何でだ、忙しいときに」みたいなね。これは住民の意識の問題になって来るのでまた1つのテーマなのですが、難しいなかでこの警報関係は「どれだけシンプルにするか」です。前提として思い出してもらいたいのが、あれだけの大雨であれだけ犠牲者が出ている。実は2018年だけでなく、毎年豪雨で犠牲者が出ているということです。しかも、異常気象でどのような雨が降るか分からない。これは命を守るという意味でやらなくてはならないことです。できる限りシンプルに、複雑だと分からないではないですか。「これは注意? いや、これは避難? 避難何とか?」とわかりにくい。
飯田)勧告だとかね。
大雨洪水警戒レベル~いまある5段階を3段階にするべき
鈴木)5段階というのも多い気がする。3段階で良いと思います。
飯田)3段階で。
鈴木)今回の大雨洪水警戒レベルで見ると、1と2が一緒。1の「最新情報の注意」と、「避難方法の確認」は1つでいいと思う。次の段階は3の「高齢者の避難」、とにかく弱い人たちは避難しろというものが2番目。そして3番目は「全員避難」です。それぐらいで良いと思います。そのほうが命を守るために分かりやすい。
「非難しなくては命は守れない」という意識を住民が持つ
鈴木)ただ、これをやると必ず先程言ったように「逃げてみたけれど何もない」ということが必ず起きる。誰が意識を持たなければいけないのかと言うと、住民が意識を持たなければいけないのです。空振りだったとしても、避難しなければ命は守れない。もしかしたらということがある。そういう理解も含めて、3段階くらいがいちばんシンプルで命を守れるのではないのかなと思うのです。
気象庁を総理大臣直轄にして予測から避難指示までを1つのラインに
鈴木)もう1つ、警報や予測をするのは気象庁ではないですか。そして避難指示を出すのは組長だから、時間がかかる。そこで気象庁を内閣府、つまり総理大臣直轄の組織にします。予報から警報、そして避難指示までを1つのラインのなかで一気にやってしまう。組織的な問題ですが、気象庁はもともと文部省にありました。研究機関だということで。
飯田)そうか。
鈴木)そのあと交通に影響が出るので、運輸省に行きました。それがいま国交省にある。ですが、危機管理という点から行政の避難決定まで一元化するには、気象庁を思い切って総理直轄、内閣府の所属にしてはどうか。
飯田)内閣府防災という組織はあるわけですよね。
鈴木)あります。そこに気象庁を入れ込めばいい。組織改編は難しいのだけれども、そういうことを検討してみてもいいでしょう。
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