イランの米軍無人機攻撃~アメリカが報復することは難しい

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月21日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。イランがアメリカの無人機を撃墜したニュースについて解説した。

イランの精鋭部隊「革命防衛隊」のサラミ新司令官(イラン・テヘラン)=2018年12月29日 写真提供:時事通信

イランがアメリカの無人機を撃墜

イランの精鋭部隊「革命防衛隊」はイラン南部ホルムズガン州の上空で6月20日未明、アメリカの無人偵察機を撃墜したと明らかにした。革命防衛隊のサラミ司令官は演説で、「撃墜はアメリカへのメッセージだ。侵略行為には強力に対応する」と警告し、イランの領空を侵犯したと主張している。

飯田)これに対してアメリカのトランプ大統領は、イランは非常に大きな過ちを犯した、とツイッターに投稿しています。いろいろと速報も入っていますが、無人機の撃墜の映像をアメリカが公開しています。イランは領海内で撃墜機の一部を回収したと主張していますが、トランプ大統領は国際空域であると、中央軍の司令官もイランの領空は侵犯していないと主張しています。

アメリカがすぐに報復できる状況ではない

宮家)最新のニュースだと、トランプ氏は議会のリーダーたちをホワイトハウスのシチュエーションルームに呼び、内容の説明をしています。説明が終わった議員たちが何人か発言していますが、ペロシ下院議長は、とにかくエスカレートさせないようにと言っています。アメリカが報復措置を取るかどうかに議論は集中しているのだと思いますが、すぐに全面的な報復ができるような状況ではありません。最近のタンカー攻撃も含めて全体が一連の流れだとすると、アメリカはまず革命防衛隊をテロ組織に認定し、厳しい制裁をかけはじめていると思います。その上で、軍事的に直接戦争にはならないけれど、アメリカもドローンなどを飛ばしてイランに対する圧力を強めている。そのなかで革命防衛隊が、まずは停泊しているタンカーに穴を開けて、それから航行中のホルムズ海峡のタンカーに穴を開けた。だけど決して沈めることはしない。本当に沈めるなら、機雷を船の底に付ければいいのですから。

飯田)そうしたら沈んでしまいますよね。

宮家)でも沈んでしまったら困るから、そこまで行かないようにコントロールしながらやっているのです。いままでもアメリカのドローンは毎日のように飛んでいたと思います。アメリカがああいう形で圧力を強めて反撃して来たので、攻撃したのでしょう。アメリカが総攻撃をするならば別ですが、無人偵察機はそんなに内陸に入って行かなくても、十分情報は取れます。おそらく船を見ていたのでしょう。ですから領空侵犯を仮にしたとしても、それほどたいしたことではないと思います。
全体の流れとしては、今は誰がタンカーを攻撃したのかという話ではなくて、これからアメリカがどういう対応をとるのかに関心が集まっている段階です。アメリカ軍の無人機はやられたけれど、アメリカ軍人が死んだわけではないので、アメリカの対応も難しいと思います。

飯田)ここでいきなり、シリアにやったようなミサイルを打つというわけではない。

イラン学生通信(ISNA)が13日、AFP通信に提供した、オマーン湾で黒煙を上げるタンカーの画像=2019年6月13日 写真提供:時事通信

タンカー攻撃は革命防衛隊の一部の強硬派の仕業か

宮家)人が傷つかないようなやり方でやるかもしれません。トランプさんが実際に言っていることですが、イランというより「そのなかの誰かバカなやつが間違ってやったのだ」と言っているのです。私は、実はそれが実態に近いのではないかと思います。革命防衛隊の一部の強硬派がやった可能性があると思います。

飯田)革命防衛隊は、国軍とは違うのですか?

宮家)国軍とは別の、最高指導者直属の部隊です。

飯田)そうすると、大統領のコントロールなどが効くものではない。

宮家)ないです。

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