日本がアメリカとイランの仲介役をした歴史的な理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月13日放送)にキャスターの辛坊治郎が出演。なぜ日本がアメリカとイランの仲介をしたのかということについて解説した。

日本がアメリカとイランの仲介役をした歴史的な理由

共同記者発表を終え、握手するイランのロウハニ大統領(右)と安倍首相=2019年6月12日、テヘラン(共同) 写真提供:共同通信社

安倍総理とイラン大統領との会談が終了~核合意維持へ

安倍総理は6月12日、日本時間の午後8時頃、イランの首都テヘランを訪問しロウハニ大統領と会談した。会談で安倍総理は核開発を巡るイランとアメリカの対立が激化するなか対話に応じるよう要請し、衝突回避に向け緊張緩和を呼び掛けた。その後、行われた両首脳記者発表でロウハニ大統領は核合意を維持すると表明したが、イランに対する戦争があれば徹底的に対応するとの考えも示した。

安倍総理)イランが建設的な役割を果たすことが不可欠です。イランが核合意を引き続き遵守することを強く期待しています。本日はこのような基本的な立場に立ってロウハニ大統領と率直かつ有意義な意見交換を行いました。何としても武力衝突は避ける必要があります。緊張の緩和に向け、日本としてできる限りの役割を果たしていきたい。

飯田)総理のコメントもお聞きいただきました。この仲介外交がどうなるかということですね。

日本とイランの歴史的な関係と安倍総理とトランプ大統領の特別な関係によって実現した仲介

辛坊)「なぜ日本がイランとなのか」と思っている方も多いと思いますが、世界の民主主義国のなかで、もっともイランと仲が良くて関係が深いのは日本なのです。
もともと欧米のメジャーズと呼ばれる大きな石油資本に、産油国が全部抑えられていたのです。第二次大戦後に民族主義が高まり、イランが「うちの石油はうちに売らせてよ」と訴えたところ、イギリスが激怒して、「だったらイランは封鎖してやる、イランから原油を出すタンカーは撃沈する」となった。そのときに日本の出光さんという人が、日章丸というタンカーをイランに派遣したのです。イギリス海軍に撃沈されるかもしれない恐怖のなか、イランにとっては原油の輸出ができる、日本にとっても世界の石油資本以外のところから原油が確保できるということで、大ギャンブルだったのですが、決行したのです。これは『海賊とよばれた男』という小説になって、映画にもなりました。世界の石油資本を敵に回したので欧米から総スカンを食らっていたイランを、日本だけが助けたのです。
その後、イラン革命が起きたときに、当時のパフラヴィー国王をアメリカがかくまったのでアメリカとイランは戦争状態になり、以来イランはアメリカと仲が悪いし、ヨーロッパとも仲が悪い。イランとまともに付き合って来たのは、日本だけなのです。
欧米とイランはずっと敵対関係なのですが、日本だけは歴史的な経緯で仲が良いので今回、仲介役になりましょうということになったのです。安倍総理とトランプ大統領との関係も含めて、歴史的なことなので頑張ってほしいとは思うけれども、そう簡単ではありません。

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