ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月29日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。トランプ政権が参加を要請する有志連合について解説した。
有志連合参加要請に日本政府は慎重姿勢
トランプ政権は25日、日本にイラン沖ホルムズ海峡でのタンカー護衛に向けた有志連合への参加を要請した。対イラン強硬路線と距離を置きたいヨーロッパ各国が参加に消極的ななか、日本も慎重な姿勢を崩さず外交努力を優先させる方針である。
飯田)アメリカのポンペオ国務長官は25日、日本やイギリス・フランス・ドイツ・ノルウェー・韓国・オーストラリアの国の名前を挙げて、有志連合への参加を迫っております。イギリスなどは独自でやると表明しています。
有志連合はそれぞれの国の法制、軍事の枠組みのなかで参加できる
須田)そもそもアメリカの同時多発テロ9.11以降、実を言うと日本はこの有志連合に参加しているのですよ。CMFと言われている仕組みで、有志連合海上作戦部隊というものを自衛隊は派遣しています。ですから、有志連合には日本の法律上参加できないというのは間違いで、既に参加しているということをご理解いただきたいです。よく考えてみると、世界貿易センターのツインタワーが被害にあったわけですが、あれで日本国民が殺されています。そういった日本の国益に被害があったわけだから、当然のことながら参加をする、そういう流れになっていたのです。勘違いしていただきたくないのは、米軍が指揮を執る多国籍軍と、この有志連合は違うということです。有志連合は必ずしもアメリカが指揮を執っているわけではないことをご理解いただきたい。その上で聞いていただきたいのですが、そのときに出て来た用語として“coalition”という言葉があります。連立や合同という意味合いなのですけれども、有志連合はそれぞれの国の法制、或いは軍事の仕組みや枠組みのなかでできることに参加をする。それを“coalition”と言うようなのですね。その枠組みをそのまま当てはめれば、参加することに何の障害もないのです。
飯田)あの当時も、特措法的なものを作ったりして参加しました。そうすると今回も、いちばんは特措法でできることを明快にしてやるということになるわけですかね。
相手が国となった場合には外国の艦隊に対応を任せるという選択肢もある
須田)そうではなくて、いまやっていることをもう少し広げるのであれば、特措法は必要ですよね。いまの範囲内であれば、いまの法律の枠組みのなかで十分参加できる。また海外の有志連合のメンバー国との調整が必要になって来ます。日本に対して、どの程度の役割が求められているかということとの兼ね合いだと思いますけれどね。
飯田)いまアデン湾あたりの海賊対処などは、すでに有志連合の形で参加していて、日本も3ヵ月の持ち回りではあるけれども司令官の役割をやったり、いろいろと広範囲に活動している。あれは海賊対処法という法律がバックにあるということですけれども、今回の件がその辺をどう考えるかというところですか?
須田)攻撃を仕掛けて来るのが国なのかそうではないのか、という部分の建付けで、攻撃されたときに国らしいとなった際、どうするのかという問題です。ですから先ほど言われたように、特措法的なものが必要になって来る部分なのかなと。ただその場合には、外国の艦隊に対応を任せるという選択肢もないわけではないですからね。
飯田)なるほど。確かに国ということになると、憲法との兼ね合いになって来てしまうのですよね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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