竹島周辺へのロシア軍機領空侵犯~日本の立場はどう見られているのか
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月25日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。竹島周辺へロシア軍機が領空侵犯した問題で、韓露の主張に食い違いが出ているというニュースについて解説した。
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ロシア軍機の「領空」侵犯事件を報じる24日付の韓国紙=2019年7月24日 写真提供:時事通信
竹島周辺のロシア軍機の領空侵犯~韓露の発表に食い違い
島根県の竹島周辺でロシア軍機が領空侵犯し、警告射撃を行ったと韓国軍が発表した問題で、ロシア軍は声明を出し、警告射撃はなかったと領空侵犯を全面的に否定した。一方、韓国側はロシア側から領空侵犯は意図したものではないと説明を受けたと明らかにしており、双方の主張には食い違いが出ている。
飯田)韓国軍はおよそ360発の警告射撃をしたと発表しています。そもそも島根県の竹島という、我が国固有の領土。そういったものが混然一体となって押し寄せて来ている。
竹島の警備について大人の対応をしている日本
鈴木)どこを軸に考えたらいいのかという感じですよね。中露が領空侵犯をして来た。韓国としては、ロシア軍機が領空侵犯したので威嚇射撃をした。しかしその場所が竹島である。竹島は日本固有の領土であるということを、日本はずっと主張して来ている。聞いたのですが、竹島周辺の海の警備について、日本は大人の対応をしています。主張はしているけれども、トラブルが起きないようにあえて外側から竹島を、海では警衛しているのだそうです。そのなかに韓国はズバッと入って来ている。韓国対中露なのに、日本が出て来たのがおかしいと、今度は日本に矛先が向く。
飯田)日本としても固有の領土であるから当然、航空自衛隊が防空識別圏に入って来たということで、スクランブルも上がったという話ですよね。
整理して行かないと日本がいちばんの被害者になる可能性も
鈴木)竹島の領有権ということを一旦置くと、変な話ですが、中露に対抗するのであれば日韓という構造でやらなければならないところを、その韓国が日本を批判する。日本の立場からすると、どうすればいいのか。冷静にと菅官房長官は言っていますが、そうすると日韓の間にあえてロシアがくさびを打って来たのかなという想像もつくわけです。問題を整理して行かないと最悪の状態になります。結局、日本がいちばんの被害者、当事者になる可能性があるのです。ですから、問題の整理をきちんとしなければならないと思います。
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4日、朝鮮東海の海上で行われた前線・東部戦線防護部隊の火力攻撃訓練を指導する金正恩朝鮮労働党委員長=2019年5月4日 写真提供:時事通信
アメリカしか向いていない北朝鮮とどう対峙するか
飯田)そんななかで北朝鮮がミサイルなのか、飛翔体を撃って来た。韓国の合同参謀本部の発表によると、発射された飛翔体は2発で、飛距離は430㎞ということです。アメリカ軍の関係者の発言が外電では出ていまして、5月に北朝鮮が撃って来たものと同じような形の短距離ミサイルではないかという分析もされています。
鈴木)日本も巻き込まれていますが、朝鮮半島を巡る大きな絵、複雑な方程式というのか、これを解かなければいけない。結局、北朝鮮はアメリカにしか向いていないのでしょうね。アメリカに向けての駆け引きですし、日本なんて相手にしていないような感じです。安倍さんも我慢して「条件なく対応」と言っていますが、それでいいのかなとも思います。もう1度きちんと強硬の姿勢に戻すことも必要かなと。ただ我慢して待つということも大切なのですが、本当に難しいと思います。この問題はオリンピックにも絡んで来ますからね。
飯田)まずはアメリカと北朝鮮の間の交渉があるわけですものね。
鈴木)やはり日本は韓国と主張すべきところを主張しながら、僕は議員外交が鍵だと思うのですが、どこかで対応の窓口を探して行かないとならない。でなければ逆に巻き込まれて、利用されます。中露に利用されているのではないかなと、僕はそんな気がします。
飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00