韓国がWTO理事会に高官派遣~日本は国際世論に積極的に訴えるべき

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月23日放送)にジャーナリストの有本香が出演。韓国がWTO理事会に高官を派遣したニュースについて解説した。

韓国がWTO理事会に高官派遣~日本は国際世論に積極的に訴えるべき

日本、韓国への輸出管理強化 韓国向け輸出管理について、チョン・チャンス産業通商資源部貿易安保課長(手前右)に事務的説明に臨む、岩松潤・貿易経済協力局貿易管理部貿易管理課長(手前左)=2019年7月12日午後1時58分、東京・霞が関の経産省 写真提供:産経新聞社

韓国がWTO理事会に高官派遣へ

韓国の産業通商資源省は22日、ジュネーブで23日と24日に開かれる世界貿易機関(WTO)の一般理事会に、金勝鎬(キム・スンホ)新通商秩序戦略室長が首席代表として参加すると発表。日本政府の輸出管理強化の問題点と不当性を主張すると見られている。

飯田)管理の見直しに過ぎないとは思うのですが。

有本)そうですね。これを不当だと言ってしまうと、同じルールで輸出管理に従っている国々は、一体どうなるのだということになりますからね。

飯田)みんな違法になって、WTOルールそのものが違法なのかということになってしまう。

有本)そういうことですよね。韓国自体が特別に優遇されていたということです。「通常の管理をしている国々は他にもありますよ」ということでしかないのです。一般理事会が開かれて、日本側は外務省の山上信吾経済局長が行かれるということです。この件に関して、韓国側は当然WTOにということは言って来るでしょう。それ自体が無理筋だけれども、仮にWTOに持ち込んだ場合どうするかということは、シミュレーション済みだとは聞いていますので、ここまではとりあえずいいのでしょう。

韓国がWTO理事会に高官派遣~日本は国際世論に積極的に訴えるべき

三菱重工本社を訪問した元徴用工訴訟の原告側代理人弁護士(右)ら=2019年2月15日午後、東京・丸の内 写真提供:産経新聞社

海外メディアが流す間違った報道に日本政府はアナウンスするべき

有本)少し気になるのは、ここに来て私も今朝ツイッターでアップしましたけれども、ロイターなど日韓の間の争いを報道する外国メディアが、少し誤ったことを報じているわけです。いわゆる徴用工問題と韓国側が言っている戦時労働者の問題を、日本が朝鮮半島を植民地にしたときに、強制的に労働させたというニュアンスで報じていて、これについて韓国側は新たに基金の設立を提案したのだけれども、日本はそれをリフューズしたとしている。それは少し違うよねと。1965年の日韓基本条約、日韓請求権協定ということが国際的にまったく伝わらないまま、「韓国が昔のことを保証してほしい、あるいは保証する枠組みを作ろうと言っているのに対して、日本が全然聞く耳を持たない」というようなニュアンスで伝わってしまいかねないのです。そうすると、本来これはWTOに持ち込んで、正当性が主張できるような話ではないのだけれども、誤った国際世論を作られてしまって、例外的な穴を作ってしまう可能性が見えますよね。確かに報道機関の報道に対して、特定国の政府がいろいろと言うことは厳しい部分があると思うけれども、事実とは違うのだと。あるいは河野大臣がいみじくもカメラの前でおっしゃったように、結局は条約、国際法違反だということなのです。それをもっとはっきりと日本政府はアナウンスしなければならないし、影響力の大きい通信社、あるいはメディアの報道に対してはきちんと事実を、「そうではありません」と言うべき場面に来ているという気がします。

飯田)場合によってはトップがインタビューに応じるなどして、訴えることも必要かもしれません。

有本)そうですね。選挙の話のときに申し上げた、私たちがやったネットの選挙特番で、安倍総理がこの件についても言及されています。もちろんこれは、安全保障上で重大な懸念があったからという措置ではあるのだけれど、「根底になければいけないのは、国と国との信頼関係です」とおっしゃいました。それがいま十分な状態ではないということが大きいのだと。まったくその通りだなと思います。

韓国がWTO理事会に高官派遣~日本は国際世論に積極的に訴えるべき

海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射した韓国海軍の「クァンゲト・デワン」級駆逐艦。[防衛省提供]=2018年12月21日 写真提供:時事通信

日本は国際世論に積極的に訴えなければならない場面に来ている

有本)ただ、ロイターのさっき申し上げた問題のある報道ですが、こういうことで外国メディアや通信社が揺さぶりをかけたり、あるいは一部の日本メディアもかなり強行に、韓国の言うことを聞けという報道をしていますよね。

飯田)日本は自由貿易を阻害しているというような。

有本)けれど、世論に動揺はないですよ。かつてのように、「そんなに言っているのだったら韓国の言い分も聞くべきではないか」という気持ちに傾いている国民は、本当に少ないと思います。

飯田)世論調査などをしても、これに関してはいくら何でも韓国はやりすぎだろう、いい加減にしてくれと。

有本)日本政府がこのようにするのは当然だということで、支持する人の方が圧倒的に多いわけです。

飯田)7割~8割が支持ということが出ています。

有本)そうですね。ロイターなどでは、英語でリタレーションという言葉も使っています。いろいろなことに対する報復行為というよりは、安全保障上の懸念が大きかったからだと、公式的にはそういうことなのです。とは言えやはりここ数年の、度重なる韓国側から日本に対する、とても協力すべき国とは考えられないようなことがいろいろありました。

飯田)レーダー照射をしてみたりとか。

有本)レーダー照射などはその最たるものだと思います。これに対して国民世論が、さすがにもう勘弁してという韓国疲れ、これに極まれりというところに来たのは大きなことです。

飯田)ただ、国民としては韓国疲れでもう放っておけよとなるのだけれど、外交の面ではそうではなく、政府はどんどんアピールして行かなければならない。

有本)もちろん外交当局は、韓国側とも会話を進めるということもあるのでしょう。だけどいまは国際世論に対して、日本ももっと積極的に訴えなければいけない場面なのです。いままでの轍を踏まないためにも。

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