輸出規制の撤回要求~韓国に必要なのは「不適切事案」の説明
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月10日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。韓国の輸出規制撤回の求めを日本政府が応じないというニュースについて解説した。
輸出規制の見直し~韓国が撤回を要求も政府は応じず
世耕経済産業大臣)今回の措置は輸出管理を適切に実施する上での必要な日本国内の運用の見直しということになります。ということで協議の対象になく、撤回は考えておりません。
韓国の文在寅大統領が半導体の材料などの輸出規制見直しの撤回と協議を日本側に求めたことについて、世耕経済産業大臣は昨日(7月9日)、「協議の対象ではなく、撤回する考えはない」とあらためて強調した。韓国側から事実確認を求められていることについては、今週中にも詳しく説明する場を設けるとしている。
新行)文在寅大統領が撤回と2国間での協議を求めて来たということで、日本政府はこれには応じない姿勢です。
高橋)輸出の優遇をされていたのですが、経産省の発表では不適切事案があったので、ということです。その不適切事案を直すことと再発防止がメインの話です。日本側が措置をやめることはありえません。韓国側が何かをしなければならない。ボールは韓国にあるのです。
新行)もともと不適切な事案について説明を求めていたけれども、G20前までに回答を得られなかった。
「不適切事案」について韓国は日本に説明しなければならない
高橋)長期間にわたって説明がなかったから、こうなったわけでしょう。不適切な事案について対応をどうするか、韓国側がやらなければいけません。
新行)まず韓国側が説明をしないと。
高橋)向こうが事実確認と言って来たので、「どういう話ですか」とはこれから言うでしょうね。
新行)関連してメールもいただいています、船橋市の“てっぺい”さん。「輸出規制の見直しに関して韓国がWTOに訴えていますが、どう考えても日本の対応はまっとう。撤回や協議を求めていますが、対応する必要はないと思います。次なる手として、韓国はどのような行動に出る可能性があるでしょうか?」。
高橋)事実確認をして、日本に言って来るでしょう。いままでの経緯を日本が説明させるというプロセスが続くのですよ。韓国がWTOの話をするかもしれませんが、これは安全保障上の規制なのでWTOの枠外ですから、WTOは受けません。ただ単に韓国が世界の世論にアピールするために言ったという、そのレベルだと思いますよ。
新行)世耕経済産業大臣はツイッターでも、どういうロジックがあって対応に至ったということを、かなり丁寧に説明されています。
報復ではなく安全保障上の問題なのでWTOで協議することはない
高橋)日本の報道でもいわゆる徴用工の報復とするものもあって、日本でもそう理解している人が多いのですが、そうではない。ロジカルには安全保障上の問題なので、徴用工の話があってもなくてもやるのです。日韓の意思疎通があまり行われていなかったので、その背景には徴用工の話があるかもしれませんが、それはあくまで背景にすぎません。例えばアメリカとファーウェイの問題と同じようにWTOで協議をする必要はなく、安全保障上の問題です。
新行)今回の輸出規制、優遇を撤回するということですが、韓国にはどう影響が出て来ますか?
優遇撤回となると特にサムスンは大きな打撃を受ける
高橋)いままで優遇されていたのが当たり前だと思っていますから、優遇撤回になると、1件1件が審査となって時間がかかりますよね。サムスンなどは商品の供給に時間がかかりますから、業績が落ちるかもしれません。
新行)サムスンは中国との取引もあることから、米中貿易摩擦の影響でも業績は落ちて来ていますか?
高橋)営業損益は4半期ベースで、2期連続で前年同期比で5割減くらいです。ここへさらに追い打ちをかけることがあるかもしれませんね。
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