韓国の輸出優遇対象国から外れても日本に影響はない
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月14日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。韓国が輸出優遇対象国から日本を除外したニュースについて解説した。
韓国が輸出優遇対象国から日本を除外、世耕経産大臣が反論
世耕経済産業大臣は13日、韓国が輸出管理上の優遇対象国から日本を除外すると発表したことをうけ、ツイッターに根拠が不明だと投稿した。経済産業省では韓国側に日本を除外する根拠を問い合わせているということだ。
飯田)輸出統制体制の基本原則に外れるように制度を運営していると。「んん?」という感じだし、安全保障と言うのであれば、一体うちはどこに再輸出しているのか証明してほしいと思うのですが。
高橋)韓国のこの制度から外れても、日本は痛くも痒くもないですから、別に構わないのではないですか。
飯田)影響は限定的と。
日本から輸出を受けている韓国企業が「再輸出をしていない」と言えばいい話
高橋)ほとんどないですよね。輸出の優遇対象はいろいろな国が作っているのですけれど、EUも作っていて、日本は優遇対象に入っていますが韓国は入っていません。EUの制度から外れると少し大変かもしれませんが、韓国の制度から外れても痛くも痒くもないし、何なのですかと聞いた方がいいですよ。大体、日本の措置のことを韓国の方は、徴用工に対する報復だと認識しているということでしょう。しかし日本はそうではなく、安全保障上の措置だと言っているのに、韓国は「それは嘘で、本当はこういう理由でしょう」と言う。わけがわからなくなりますよね。冷静に考えると、安全保障上の措置と言ってもらったほうが、お互いに解決は簡単なのですよ。日本の安全保障上の措置と言ったときに、韓国に輸出してその再輸出先が分からない。だから韓国に輸出するのだけれど、最終需要者のところできちんと消費しているのかどうかを証明すれば、それで終わってしまうのですよ。だから韓国企業で日本からの輸出を受けているところが、うちでこれだけ使いました、と言ったらそれで終わりですよ。
強い大統領を示すことで支持率が上がる文在寅政権
飯田)そもそもの発端は安全保障上の部分で、輸出管理で不明になってしまっているケースが文在寅政権になってから多く、3倍くらいに増えている。これは数字ですでに明らかであると。
高橋)韓国政府も自ら言っているわけです。それを横流しのように、ダミーで韓国企業が輸入して、それを再輸出していないということを示せばいいのですよ。それなのに話し合いにならないような話を持って来ている。解決したくないとしか思えないですよね。
飯田)解決したくない。
高橋)それはそうでしょう。解決しようと思ったら、安全保障上の問題だと言っている日本の話に乗るのがいちばん簡単ですから、解決したくないのですよ。
飯田)揉めているなかで強い大統領だと示すことで、支持率も上がっている。韓国の政権与党にとっては美味しい話でもあると。
アメリカの見解では徴用工の問題は解決済
高橋)そういうことなのでしょうけれども、アメリカが徴用工の問題については解決済みであるという見解を持っているので、これを知ってしまったら文在寅さんは何を言っているのだということになるでしょうね。
飯田)ポンペオさんも立ち話で河野さんに対して、ASEAN拡大外相会議の前の席辺りで、きちんと日本の言う通りだと言ったということです。
高橋)それはそうでしょう。徴用工の話について言えば、バンコクで韓国の外相も入れて3者会談があったのですよね。ただ、前日にポンペオさんと河野さんは2人で会っています。3者会談なんて話にならなくて、日米が韓国を持て余しているという感じですよね。だから韓国も徴用工の問題に関して、勝ち目がないのですよ。勝ち目がないのにそれが理由だろうと言ってしまって、韓国は行き詰まっていますね。
出口のない韓国政府
飯田)この部分は貿易の話とは切り離して考えなくてはならないのだけれど、いわゆる徴用工の問題に関しては、もともと1965年の日韓請求権協定で解決済みとなっていた。
高橋)それが日本の主張で、アメリカもその通りだと言っているから、これを持ち出してアメリカに頼ってもそれは無理でしょう。だから韓国はここでも勝ち目がない。勝ち目がないものを理由に挙げてしまっているから、もっと勝ち目がないというのがこの貿易問題です。
飯田)韓国の最高裁、大法院判決で驚いたのは、生前の朝鮮半島統治そのものが違法であるから、そこで行われた労働の契約なども含めてすべて違法で、請求権は阻却されていないという物凄い法理を作り出した。これをやると、韓国の国民全員に請求権があるようなことになってしまう。実際にそれにそって日本企業の財産の差し押さえや、競売にかけるというところまでやろうとしています。落としどころと言うか、ビジネスができないですよね。
高橋)実は司法がそのように言っても、韓国国民の請求権はすべて日本企業にするのではなく、韓国政府が肩代わりするという落としどころがあるのですよ。
飯田)それが請求権協定。
高橋)そうです。立法府はそういうことができるので、司法がそう判断しても立法府の話としては、請求権を韓国政府が引き受けるという法律を作ってしまえばおしまいなのです。司法の判断の自由というものはありますが、立法府と行政府でそれを覆すことはできるのですよ。それが請求権協定というか、条約のなかに入っているのであって、韓国政府がただ単に不作為になるだけです。
飯田)ところが、そうはなってくれない。
高橋)韓国政府が違うからね。しかし、韓国政府に出口はないですよね。アメリカに頼もうとしても、日韓条約で終わりだろうと言われている。でもそれを理由に日本は制裁をしていると言って、勝手な対抗措置を取っているのですよ。
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