今後の日本と中国の関係~日本がフィンランド化するということ

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月4日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。今後の中国と日本の関係について解説した。

中国王毅外相が北朝鮮を訪問、李容浩外相と会談

中国の王毅外相は2日、北朝鮮の平壌を訪れ李容浩(リ・ヨンホ)外相と会談を行った。会談では10月6日に迎える国交樹立70周年の祝賀行事に向けて協力することで一致。朝鮮半島情勢や香港情勢についても意見交換を行い、緊密に意思疎通をはかることで一致した。

飯田)王毅外相は4日まで滞在ということで、金正恩委員長と会う可能性も指摘されています。

佐々木)ロバート・カプラン氏という地政学で有名なジャーナリストがいますが、彼がニューズウィークに書いていて、なるほどと思った記事があります。現在の日本と韓国の仲が悪いという状況は、北朝鮮と中国にとっては喜ばしい出来事である。このまま行くと、中国と日本の関係が無視できなくなります。聖徳太子の時代から、日本は中国と距離を置いて来た。そのころの中国は対外的に侵略する国ではなくて、自分の国のなかのことにしか興味がなく、他の国から貢ぎ物を持って来るのならば、甘んじて受け入れますよと。その代わり我々は出て行かないので、あなたは好きにしなさい、というのが中国が長らくやって来た冊封体制です。しかし19世紀以降、西側に蹂躙されて恨みが募っているところもあり、いまや拡大政策に転じています。中国という国が対外的に拡大に出るというのは、歴史上でもあまり例がない。元の時代のモンゴル帝国くらいではないでしょうか。それ以外は内向きの国だった。となると、極東の中国大陸にぶら下がっている日本という国は、対外的に出て来る中国とどう向き合うのか。いまだかつてない試練に向き合わなくてはならない。日本は遠からずフィンランド化する可能性があると、カプラン氏は書いています。

飯田)体制はそのままだけれども、ということですか?

佐々木)そうです。フィンランドは冷戦時代、ソ連の隣で一応は独立した民主主義国でしたが、ソ連の顔色をうかがわなければならず、完全にソ連に従属していた。独立しているのに従属している状態を、当時はフィンランド化と呼んでいました。日本は民主主義国家だけれども、そうならざるを得ないのではないでしょうか。

飯田)そうなると、日米安保がより重要になりますね。

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