ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月23日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。混迷するイギリスのEU離脱問題について解説した。
イギリス議会EU離脱法案の審議日程案を否決
イギリス議会下院は22日、政府が提出した離脱に必要な関連法案の審議日程案を否決した。10月末の離脱の実現は極めて厳しい情勢となり、期限延期をEUが認めるかが焦点となる。
飯田)ジョンソンさんも離脱期限まで10日を切り、追い詰められたということになりました。
高橋)往生際が悪いというか、ますます不透明感が出てしまいましたね。
飯田)ジョンソンさんは何としても離脱をすると言っていますが、それができなくなると。
高橋)決裂しての離脱ですよ。
飯田)まったくディールがない形での。
高橋)ディールをするかしないかですが、イギリス議会の人は感情が先に入って、「本当は離脱したくない」という人が半分くらいいるのではないでしょうか。そうすると大変です。
飯田)そうなると、ジョンソンさんの次の手としては解散ですか?
高橋)いちばん混乱するのは、EUに期限通りやってくださいと言うことです。
飯田)強烈な副作用というか、合意なき離脱となる。
何をしているのかわからないイギリス議会
高橋)少しだけ合意するかしないかだったら、同じかも知れないですね。もめたところで解決策はなくて、EUが延期をしてくれるか、くれないかの話です。延期をしたとしても少しでしょう。1ヵ月か、年内にやれればいいかというところです。
飯田)小出しの先送りで、不透明感が続いて行くことになるのか。
高橋)そうなると、ますますディールができなくなるのですけれどね。
飯田)イギリスでは追い込まれる立場になってしまう。
高橋)イギリス議会が足を引っ張って、次の手があるのかどうかですよね。
飯田)結局、メイさんのときと同じ展開になりますね。
高橋)イギリス議会の方は、実は何をしているのかわからないのです。やり直したいなら話は別ですが、やり直すのは難しいと思います。国民投票をやってどうのこうのということは。
飯田)国民投票の前後の正当性が問われますよね。
ディールして離脱するか、合意なき離脱かの二択しかない
高橋)この段階になると離脱しかないので、ディールして離脱するか、何もしないかという究極の二択しか残っていません。
飯田)国民にもう1度真意を問おうとしても、イギリスは解散ができませんよね。
高橋)難しいですよね。変なことをやると、後々変になってしまいます。国民投票をやったのが間違いだと、そこに帰着してしまうのですけれどね。
飯田)国民投票、解散権の制限をしたのもキャメロンさんです。
高橋)どうしようもないですね。イギリス経済はどんどん悪くなるとしか言いようがありません。
飯田)世界経済に与える影響を考えるとどうですか?
高橋)ある程度おり込み済みだから影響は少ないでしょうが、必ず何かのフリクション、摩擦がありますからね。予測できていても逃げ切れない人がいるでしょうから、どんな形の離脱でも混乱するでしょう。「すごく混乱するのが嫌だ、混乱を少なくするのも嫌だ」と言ったら、出口はないでしょう。
飯田)とりあえず、当座は先延ばしで過ごそうという。
高橋)結果的にはいつか離脱しなければいけないので、どうしようもないですね。いくら延ばしても同じではないかという話になります。
飯田)そうなるとイギリス議会の人は、「僕らは離脱は嫌だと言ったのに」と責任逃れすることができますか?
高橋)できると言っても、基本的にイギリス議会はEUと交渉できない立場なのに、いろいろなことを言い過ぎです。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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