英のEU離脱問題~ディールしての離脱か合意なき離脱かの二択しかない

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月23日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。混迷するイギリスのEU離脱問題について解説した。

英のEU離脱問題~ディールしての離脱か合意なき離脱かの二択しかない

英中部マンチェスターでの与党保守党大会で演説するジョンソン首相=2019年10月2日(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

イギリス議会EU離脱法案の審議日程案を否決

イギリス議会下院は22日、政府が提出した離脱に必要な関連法案の審議日程案を否決した。10月末の離脱の実現は極めて厳しい情勢となり、期限延期をEUが認めるかが焦点となる。

飯田)ジョンソンさんも離脱期限まで10日を切り、追い詰められたということになりました。

高橋)往生際が悪いというか、ますます不透明感が出てしまいましたね。

飯田)ジョンソンさんは何としても離脱をすると言っていますが、それができなくなると。

高橋)決裂しての離脱ですよ。

飯田)まったくディールがない形での。

高橋)ディールをするかしないかですが、イギリス議会の人は感情が先に入って、「本当は離脱したくない」という人が半分くらいいるのではないでしょうか。そうすると大変です。

飯田)そうなると、ジョンソンさんの次の手としては解散ですか?

高橋)いちばん混乱するのは、EUに期限通りやってくださいと言うことです。

飯田)強烈な副作用というか、合意なき離脱となる。

何をしているのかわからないイギリス議会

高橋)少しだけ合意するかしないかだったら、同じかも知れないですね。もめたところで解決策はなくて、EUが延期をしてくれるか、くれないかの話です。延期をしたとしても少しでしょう。1ヵ月か、年内にやれればいいかというところです。

飯田)小出しの先送りで、不透明感が続いて行くことになるのか。

高橋)そうなると、ますますディールができなくなるのですけれどね。

飯田)イギリスでは追い込まれる立場になってしまう。

高橋)イギリス議会が足を引っ張って、次の手があるのかどうかですよね。

飯田)結局、メイさんのときと同じ展開になりますね。

高橋)イギリス議会の方は、実は何をしているのかわからないのです。やり直したいなら話は別ですが、やり直すのは難しいと思います。国民投票をやってどうのこうのということは。

飯田)国民投票の前後の正当性が問われますよね。

ディールして離脱するか、合意なき離脱かの二択しかない

高橋)この段階になると離脱しかないので、ディールして離脱するか、何もしないかという究極の二択しか残っていません。

飯田)国民にもう1度真意を問おうとしても、イギリスは解散ができませんよね。

高橋)難しいですよね。変なことをやると、後々変になってしまいます。国民投票をやったのが間違いだと、そこに帰着してしまうのですけれどね。

飯田)国民投票、解散権の制限をしたのもキャメロンさんです。

高橋)どうしようもないですね。イギリス経済はどんどん悪くなるとしか言いようがありません。

飯田)世界経済に与える影響を考えるとどうですか?

高橋)ある程度おり込み済みだから影響は少ないでしょうが、必ず何かのフリクション、摩擦がありますからね。予測できていても逃げ切れない人がいるでしょうから、どんな形の離脱でも混乱するでしょう。「すごく混乱するのが嫌だ、混乱を少なくするのも嫌だ」と言ったら、出口はないでしょう。

飯田)とりあえず、当座は先延ばしで過ごそうという。

高橋)結果的にはいつか離脱しなければいけないので、どうしようもないですね。いくら延ばしても同じではないかという話になります。

飯田)そうなるとイギリス議会の人は、「僕らは離脱は嫌だと言ったのに」と責任逃れすることができますか?

高橋)できると言っても、基本的にイギリス議会はEUと交渉できない立場なのに、いろいろなことを言い過ぎです。

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