鈴木茂樹事務次官更迭~旧郵政省の負の側面が色濃く出てしまった

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月23日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。総務省の鈴木茂樹事務次官が事実上更迭されたニュースについて解説した。

総務次官更迭

高市総務大臣は、総務省の鈴木茂樹事務次官がかんぽ生命保険の不適切販売問題を起こした、日本郵政の行政処分案の検討状況について、日本郵政の鈴木康雄上級副社長に漏洩していたと発表した。20日付で停職3ヵ月の懲戒処分にしたが、鈴木茂樹次官はその日付で辞職した。事実上の更迭となる。

飯田)日本郵政の上級副社長、鈴木康雄氏ですが、この人も旧郵政省出身で総務次官を務めていた。鈴木茂樹事務次官とは、先輩後輩の関係だったということです。

須田)大変なスキャンダルです。今回のことは、旧郵政省の枠組みで考えると見えやすくなります。どういうことかと言いますと、旧郵政省はもともと現業三局と言って、郵便局事業というのがメインでやっている仕事でした。ところが、この現業ではなく政策官庁の合併と、将来は郵政省を拡大するということもあって、電波放送行政へシフトして行き、これも郵政省の管轄になった。ベースとしてはNHKという存在があります。しかも郵便局については、民営化が進められた。この2つの両輪が今回、微妙に絡んでいるのだと思います。

鈴木茂樹事務次官更迭~旧郵政省の負の側面が色濃く出てしまった

衆院予算委員会で答弁に臨む参考人の日本郵政・鈴木康雄副社長=2019年10月11日午後、国会・衆院第1委員室 写真提供:産経新聞社

旧郵政省の負の側面が色濃く出た

須田)1つは郵便局も日本郵政も、民営化に対しては抵抗しているわけです。小泉政権のときに、郵政の全面民営化を竹中総務大臣が進めたのですが、ブレーキがかかって、半官半民という状況になってしまった。天下り先ということもありますし、国がハンドリングするという状況もあったのでしょう。背景を見ると、旧郵政省の負の部分が全部出てしまったのだと思います。これは高市大臣だったからこそ、明るみに出せたのではないでしょうか。

飯田)それこそNHKに対して、恫喝だというような報道もありましたけれども。それほど強いことを言えるのは、現役時代のいろいろなことがあったから、癖が出たというところもあったわけですよね。

須田)旧郵政省にとって、NHKは自分たちが好き勝手できる子会社のような意識ですから。それを何で自分たちが批判されるのだ…それは日本郵便なのですが。その辺も理解できないような雰囲気が漂っていますが、そうではなくて、三位一体なのだということです。総務省の官僚にとって、これは三位一体なのだから、そのなかで誰が力を持っていてトップなのか。それは事務次官だろうということです。だから片や、先輩後輩の関係を利用して情報を取り、片や自分たちの子会社的な存在であるNHKに対して恫喝する。これは鈴木上級副社長・個人のキャラクターではなくて、旧郵政省、総務省の持っている本質なのです。当たり前のことで、それが表に出て来ただけなのです。

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