金品受領問題~組織対応をしなかった関西電力の責任は重い
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月9日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。関西電力幹部の金品受領をめぐる問題について解説した。
関西電力の金品受領問題、八木会長が辞任の意向
関西電力の経営幹部らが福井県高浜町の元助役から金品を受け取っていた問題で、八木会長が責任をとって会長を辞任する意向を固めたことがわかった。また岩根茂樹社長は近く設ける第三者委員会の調査が終了するまでは職に留まり、その後辞任する方向だということだ。
飯田)各紙大きく伝えております。不思議なのが、地元を落ち着かせるために関西電力側がお金を配るのならばわかるのですが、これは逆パターンですよね。
高橋)これは、マスコミ界だと言いにくい話らしいです。
背景には人権教育の問題
飯田)人権教育の。
高橋)人権教育の問題です。部落問題など、不公平な話がかつてありました。私も行政をやっていたので、関西へ行くときには部落問題について、みっちり勉強させられました。勉強して、地元に行っても不都合がないようにするわけです。関西に行ったときには税務署長をやっていましたから、地域、人という両方の観点で差別問題があって、慎重にやりましたね。特別措置法という法律もあって、ずっと更新されていたのですが、2002年になくなっています。だから関西電力がそこを配慮したと言うのは、大げさすぎると思います。関西電力は役所の対応を知っているでしょう。みなさんはオーバーに言いますが、それほど難しい対応ではありません。
飯田)森山氏の個人的な性格などがクローズアップされていますが、いろいろな企業の顧問を務めています。それに対して仕事が欲しいから、金品を出すという利益誘導の構図と見ていいのでしょうか?
高橋)そう見た方が正しいでしょうね。関西電力はこのような状況のとき、組織対応をしなければいけません。役所もそういうときは組織対応するのですよ。だから、それをしていなかったのは関西電力のミスです。
組織対応をしなかった関西電力の責任は大きい
飯田)個人の対応に任せていたと。
高橋)個人の対応で、受け取ったものを一時保管したと言いますが、この手の対応はすべて組織対応しなくてはいけません。個人の対応ができないからです。役所もそうしているのだから、関電もそうしなくてはいけなかったのだけれど、関西電力は個人の対応に委ねた。記者会見もすべて個人でしょう。あれはおかしいです。
飯田)確かにいろいろなところに金品を出していたというのは、福井県の職員や警察関係、国会議員にも話がおよんでいます。基本的に県職員は組織対応だし、国会議員も事務所対応なので、ある意味の組織対応です。
高橋)関西電力だけが個人の対応でした。私は背景的なことをいろいろ配慮した上でも、関西電力の責任は大きいと思います。
世耕前経産大臣への個人献金
飯田)世耕前経産大臣に個人献金があったと、週刊新潮が9日に報じていますが。
高橋)それは個人献金で、資金収支報告書に出ていれば何の問題もありません。自分の権限関係があったら別ですが、それはないでしょうし。献金があったという話と、背後に不正がどうのという話は別です。こういうことは法律できちんとやった方がいいです。関西電力の取締役の人は、背任的な話です。たくさん工事をさせておいて、キックバックを受けて個人でもらってしまったということでしょう。助役がもし生きていて、調書をとったら背任になるかもしれません。亡くなっているから死人に口なしなのですが、相応の責任をとらざるを得ないと思いますよ。
飯田)一時的に保管して返すつもりだったと言っても、それは背任になりますか?
高橋)返すつもりがあったことを認めてもらえなかったから、税務調査で所得認定されているのだから、それは通用しません。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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