東京都知事選挙まで半年~小池都政は何だったのか
公開: 更新:
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月24日放送)にジャーナリストの有本香が出演。2020年7月投開票予定の東京都知事選について解説した。
半年後に迫った東京都知事選挙
小池都知事の任期満了に伴い、2020年7月に投開票が行われる予定の東京都知事選挙に向けて23日、自民党の東京都連は会議を開いた。都連幹部は「候補者の選考委員会を設置して協議を進めている」と説明している。
飯田)2020年6月18日告示、7月5日投開票という日程が取り沙汰されています。
有本)少し早めたわけですよね。小池さんが2016年の夏に圧倒的な勝利を収め、都知事に就任しました。そのときの公約では、「半年前に辞める」とおっしゃっていたのですよ。「オリンピックに影響を及ぼさないために、都知事選を早くやった方がいいから、私は3年半で辞めます」と言い切って、「都民に対する約束としてそうする」とおっしゃっていたけれど、地方の首長が任期を待たずに辞めると、次の選挙に出馬した場合、もともとあった残りの任期しかできない。半年前に自己都合で辞めてしまったら、その次に立っても半年しか任期がないということです。そうしないと、自分で任期を勝手にできてしまいますから。そのことを小池さんはご存知なかったのだろうと思います。出たときの公約としては、都議会冒頭解散と言ってみたりしました。
東京オリンピックに大きな混乱を招いた小池都知事~今後の知事候補をどうするのか
有本)知事という仕事がどういう法律での建付けになっているのか、ご存じないまま出馬したわけです。結局、混乱は大きくて、オリンピックにも相当な悪影響が及んでいると思います。例えば、「会場を見直す」と言って見直さなかった。ここへ来て、マラソンを暑さのために札幌へお願いすることになってしまった。それから、築地市場を豊洲へ移転するのを2年も遅らせてしまったために、道路が開通せず、大会期間中は相当な混雑が予想されます。また、会場見直しと言ってオリンピックの費用を安くすると、「1兆、2兆はお豆腐ではないのですから」とおっしゃっていましたが、予想されていた3兆円よりも更にかかることがはっきりしたわけです。小池都政が何だったのかということを見直すべきです。小池さんに勝てる候補がいないまま、やってしまっていいのでしょうか? 知事というのはどこも同じような状況があって、何百万という有権者を相手にするから、知名度のある人しか知事選に出られないのです。全国の知事を見ると、だいたいがメディア系の出身か元官僚です。知事はもちろん選挙で選ばれなければいけないのですが、今後どのようにして行くのか。自民党としては、知事候補をどうやって養成して行くのかということです。
飯田)活躍している人に「来てくれ」というようなものでもなくなっていますからね。
有力な候補を見つけられていない自民党
有本)政局的なことで言うと、東京都連は自分たちで独自候補を立てると言っているのですが、なかなか目ぼしい人がいません。小池さんが仮に出たとしても、応援しないことを決めているわけです。都議会だって、あれだけ自民党が壊滅的になってしまったのですから、それはそうでしょう。23日に都議会の集まりがありましたよね。
飯田)年末のパーティーもあり、二階幹事長が挨拶をして、都知事候補については言及しませんでした。
有本)一方で、12月半ばに安倍総理と二階幹事長が官邸で会談した後、「小池さんしか勝てる候補がいないのではないか?」と総理が言ったという話を、自民党幹部が明らかにしました。これは、明らかにされるということがおかしいでしょう。
飯田)そもそもオフレコのはずが、ということですね。
有本)二階幹事長側は、小池さんを立てたいのでしょうね。だからそういう情報を流して、リードして行こうという状況なのでしょう。
飯田)都知事選がこの時期にあるのは、わかっていたわけですからね。
自民党にとって都知事は難しいポスト
有本)あれだけ痛めつけられた時点で、なぜ次のことを考えていないのか。名前はいろいろ挙がっているのですが。
飯田)メディア、スポーツで知名度のある人が出て来ています。
有本)世間では誤解されていますが、20年前に青島さんが知事になってすぐに辞めて、その後に石原慎太郎さんが出ました。この辺りから、自民党にとって東京都知事選は難しいポストになっているのですよね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。