東京五輪、マラソンと競歩の開催地変更と小池都知事の関係
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月29日放送)にジャーナリストの有本香が出演。東京オリンピックにおけるマラソンと競歩の開催地の問題について解説した。
IOC調整委員会で最終決定
2020年東京オリンピックのマラソンと競歩の開催地を巡る問題は、30日から3日間の日程で開かれるIOC調整委員会で最終的に決定する見通しとなる。
飯田)一部報道では、大会組織委員会は札幌大通公園発着の提示を検討ということですが。
有本)その場合は、相当な改修費がかかるということがありますよね。
飯田)暑さ対策をいろいろやったのにと知事は言っていますが、東京で行うとなると、夜中でもこの時期は暑いですよね。
有本)それと、夜にやるのはどうかということが、一部アスリート側からも意見としてありましたが、マラソンという長いロードコースで行う競技を夜にやることになれば、警備は大変ですね。
飯田)確かにそうですね。
有本)IOC側は、空からヘリで撮影できないからということを理由にあげていました。あちらはビジネスを考えてそのように言っているのでしょうが、開催側としては、空から監視や目視ができないわけですからね。私も都民としては残念だと思うことはありますが、小池都知事が以前やろうとしたことはこういうことでしょう。
飯田)ボートの競技場の変更など。
有本)いろいろな調整を経て決まっていたはずの競技場を、突如として他に持って行くと言い出してしまった。まるで意趣返しのようにも見えますね。暑さ対策もいろいろやったと言うけれど、東京の暑さ対策が科学的説得力を持っているものなのかどうか、私たち都民にもいま1つ理解できないところがありました。
飯田)どんなに頑張っても、暑いものは暑いと思ってしまう。
IOCが小池都知事のガバナーとしての在り様を信頼していないか
有本)これはマラソンに限らず、オリンピック・パラリンピック全体において、小池知事のわけのわからない混乱ぶりがありましたよね。それが1つです。例えば、オリンピック専用道路と考えられていた環状2号線。大会期間中はということですけれど、晴海の選手村からメインスタジアムまで、約10分で結ぶ専用道路を整備する。これは1つの国際的な公約になっていたわけですが、築地市場から豊洲市場に移すことを2年間延期してしまったことによって、果たせない状況になりました。少なくともIOCは、開催都市である東京都知事のガバナーとしての在り様については、信頼していないということだと思います。今回、小池さんは発表があるまで蚊帳の外に置かれていたのは事実ですから、致し方ないですよね。
飯田)組織委員会と札幌の方には、根回しがあったらしいという話でした。
有本)札幌ドームの改修や大通公園の一部整備の費用については、東京が持たざるを得ないのでしょうね。
飯田)開催都市として。
有本)開催都市としてということですね。
飯田)アスリートファーストと言うのであれば、非常に乱暴な考えですが、10月にやればいいではないかと思ってしまいますが。
都知事就任当初であれば一部競技の日程変更の余地はあった
有本)今更の話ですが、一部競技の日程については、小池都知事が就任した当初であれば、検討の余地を残していたのですよ。そこについては問題視しないで、わけのわからないことをして、混乱だけを起こしてしまったでしょう。
飯田)結局その辺が、いまにも尾を引いたと。
有本)全体の日程として動かすということは難しくても、一部競技に限れば、その余地がなかったわけではないと関係者が言っています。政治力を発揮しなければいけないのは、そこだったのですね。
飯田)今回、マラソンや競歩が札幌に移るかどうかという話になりましたが、同じくらいアスリートへの暑さが負担になるというところで言うと、トライアスロンはどうするのでしょうかね。
有本)あの辺りも問題ですよね。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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