“イラン・ロウハニ大統領来日”が表す安倍外交の成果

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月20日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。政府が正式にロウハニ大統領の来日を発表したニュースについて解説した。

“イラン・ロウハニ大統領来日”が表す安倍外交の成果

イランのロウハニ大統領(右端)と会談する安倍晋三首相(左端)(アメリカ・ニューヨーク)=2019年9月24日 写真提供:時事通信

イランのロウハニ大統領が来日

政府はイランのロウハニ大統領が20日から2日間来日すると正式に発表した。20日午後に安倍総理と会談し、中東地域の緊張緩和と安定化に向けて協議する予定だ。総理は27日に閣議決定する予定の海上自衛隊の中東派遣について、直接説明して理解を得たい考えと見られている。

飯田)23日に閣議決定などと言われていたのですが、話した方がいいだろうという判断で、27日という日程が出て来ました。

宮家)タイミングとしてはそうですけれど、今回は中東に自衛隊を出すためにロウハニさんを呼んだのではありません。歴史的に考えて、イスラム革命後のイランの大統領がこういう形でやって来るのは本来は普通であるべきなのですけれど、これまではアメリカがそれを歓迎しているかどうかは別でした。しかし今回は、全然反対していないですよね。昔のアメリカだったら猛反対したと思います。ところが今、トランプさんは安倍さんを、イランに何らかのメッセージを送るためのチャンネルとして考えているようです。今それが機能し始めているのだと思います。

“イラン・ロウハニ大統領来日”が表す安倍外交の成果

米主導有志連合が本格始動 米主導の有志連合の司令部発足式典に出席する関係者ら=2019年11月7日、バーレーン・マナマ(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

イランの大統領が来日して中東の和平を話す~昔は考えられなかったこと

宮家)イランは難しい国です。ロウハニ大統領を呼んで、アメリカの大統領とも連携を取りながら、こういう形で中東和平や中東湾岸地域の安定を話すなどということは、昔は考えられませんでした。昔はそういう対話の“フリ”はしていましたが、そこまで突っ込んだ話はできなかった。これにはいろいろな理由があるわけですけれども、いまの安倍総理のやり方は決して間違っていない。我々から見れば、昔やりたくてもやれなかったことが、部分的にせよ実現していて、すごいなと思います。その一環として、自衛隊の派遣ということがあり得るわけですから、そこはいいチャンスとして今回話をする。

気になるイランの軍強硬派からの批判

宮家)気になるのは、ロウハニ大統領が日本に来ることについて、批判的な意見がイラン国内にもあるということです。いまの政府に批判的な人たち、「もっと民主的にやれ、自由にやれ」という人たちであれば、たいしたことはないのですが。軍の強硬派が、日本に行ってアメリカとの対話などを話すことに、「弱腰ではないか」という批判が出るのが心配です。それで日本にとばっちりが来ると嫌ですね。そういうことではないようですけれど。

飯田)革命防衛隊と呼ばれる人たちとか。

宮家)その人たちが本気で反対をするとなると困るのだけれど、いまのところ、そういうことは表面化していないようです。

飯田)総理はこのあと、1月中旬に中東へ行くという話です。

宮家)イランだけではなく、ペルシャ湾の反対側にはアラブの産油国が控えていますから。これらの産油国も当然、きちんとマッサージしておかなくてはいけない。イランとアラブと両方ありますから、難しいところですよね。

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