イランを中心に“第2のアラブの春”が起きている理由
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月13日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。ウクライナ機撃墜事件について解説した。
ウクライナ機撃墜事件
イランは11日、乗員乗客176人が乗ったウクライナ国際航空の旅客機を誤って撃墜したことを認め、人為的なミスから意図せずに攻撃したと釈明した。イラン革命防衛隊の航空宇宙軍司令官が記者会見で認めたもので、ロウハニ大統領も声明で謝罪し、賠償に応じる方針を打ち出している。
飯田)イラン各地では、これまで事実を隠ぺいしていた指導部に抗議するデモも行われています。指導部とはロウハニ大統領ではなく、ハメネイ最高指導者へのデモが続いているということです。
須田)それがハメネイ師に向かっていることがポイントだと思います。いずれにしても、現場からロシア製のミサイルの残骸が見つかっており、これは隠ぺいしておけないということで、一転して謝罪することになりました。
イラン国民がすべてイスラム教徒ではないという事実
須田)記憶にとどめていただきたいのですが、イランというとイスラム原理主義の国であり、国民を含めて熱心なイスラム教徒で、イスラム指導者に従っているというイメージがあります。しかし現状はそうではなく、特にイランの若い人は、ほとんど信仰心がありません。
10年前の「アラブの春」と同じ反政府的な動きがアラブ各国で起きている
須田)もう1つは10年前、SNSを中心にアラブの春が起こりましたが、いま同じような動きがアラブ各国で起こり始めています。イラン、アルジェリア、レバノンなどの強権的な政治体制に対し、国民から反政府的な動きが強行に起きていて、その中心に位置しているのがイランです。その理由は経済的な疲弊です。失業率が10%を超え、インフレ率が30%という状況で、さらにガソリン価格の上昇が若い人たちの怒りに火をつけ、反政府デモの動きにつながっています。今回のウクライナ機の撃墜を受けて、さらに激化している状況です。
飯田)イランという国も大統領選挙など、民主的な投票が行われています。ただし別の権力機構として、革命防衛隊を含めて宗教指導者がいることを気にしており、若者中心に「民主的に決めたい」という声が大きい。
須田)自分たちの手が届かないところに、最高権力者がいるのですから。そういう二重権力構造に関する不平不満があります。それも、経済がうまく行っていればさほど表面化しないのですが、そうではなくなったために不満が爆発しています。アメリカはそれを知っているので、さらなる経済制裁に乗り出したり、トランプ大統領が反政府デモに対して応援するツイートをして、揺さぶりをかけているのです。
アメリカと戦える状況ではないイラン
飯田)先週のいまごろは、イランからイラクにあるアメリカ軍基地にミサイル攻撃が行われて、「世界大戦か」というムードになりました。しかしイランの足元がその状況では、全面的なぶつかり合いには到底耐えられませんよね。
須田)イランの国内情勢を考えると、アメリカとの全面戦争に踏み切れる状況ではありません。ですからアメリカ軍施設にミサイルを発射しましたが、水面下では、イラン側は人がいないところにミサイルを撃って、アメリカ側に「報復は終わった」としました。これはできレースみたいなものです。そのあたりを見ても、アメリカとイランが戦争を行うことは100%ありません。
飯田)イランの国内事情で考えると、このデモがどう推移して行くかがカギを握ることになりますか?
須田)そうですね、第2のアラブの春の注目点はイランの情勢です。それをどう抑えつけられるかです。私のカウントでは、デモで319人が殺されている状況です。力で抑えつけると死亡者が増え、そうするとデモは過激化する。この負のスパイラルに、すでに陥っています。
飯田浩司のOK! Cozy up!
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