米イラン緊張~“どちらにもつかない”立場をとる日本がするべきことは

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月8日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。緊迫するアメリカとイランの対立関係について解説した。

アントニオ・グテーレス-Wikipediaより

アメリカとイランの対立、国連事務総長が今世紀最大の緊張と声明を発表

国連のグテレス事務総長は6日、アメリカとイランの対立について「地政学的な緊張は今世紀で最も高まっている」という認識を示した。両国に最大限の自制を求めるとともに、関係各国に緊張の緩和に取り組むよう求めている。

飯田)アメリカとイランの緊張は、このところ連日報道されていますが、革命防衛隊のソレイマニ司令官の無人機による殺害から始まり、核合意もどうなるのか。

高橋)核合意は外交の話で、軍事的アクションがないからまだいいです。ソレイマニ司令官はイランから見ると国民的英雄ですが、アメリカから見ればテロリストです。どちらから見るかですが、外交なので意見が変わります。報道するときに、イランの英雄という側面だけでなく、アメリカの見方と両方の側面を認識すべきですね。

ソレイマニ司令官の殺害を1面で大きく報じるイラン各紙=2020年1月4日(共同) 写真提供:共同通信社

全面戦争になれば日本の経済は大変なことになる

高橋)一方で、アメリカもイランも抜き差しならない政治情勢があり、イランでは2月に選挙があるので、短期的には弱気に見せられません。ただし長期的には、戦争になったら不利になるので微妙な状況です。アメリカはアメリカで、トランプ大統領は弾劾されていますから、弾劾されているときはクリントンさんもそうでしたが、国民の目を逸らすために海外へ攻撃するということがよくあります。だからそれをやり、11月に大統領選挙があるので、そこでオバマさんとの違いを言いたいでしょう。そんななかで長期的に、全面戦争にならない努力をいろいろな国がやっているということです。

飯田)確かに全面戦争となると、大規模なオペレーションになります。

高橋)大変ですよ。そうなると、日本に原油が入って来なくなります。備蓄は230日あるので当分は大丈夫ですが、そこを超えるような話になると、日本経済が大変になります。

飯田)それを見通すと、それだけでも原油価格が上がりますよね。

高橋)半年以上の備蓄はあるので、そこまでは上がらないと思います。泥沼に入ってしまって、紛争が半年以上続くと厳しいですね。湾岸戦争のときのように早く終わるのであれば、大した話にはなりません。でも、これが長引くとなると大変です。短期的な軍事衝突があったとしてもすぐ収束できるように、中長期的には全面戦争ならないように、いろいろな人が努力しなければならない。何かあったとき、イランとアメリカの両方と話せるのは日本だけですから、イランは日本に話を持って来ると思います。それをアメリカに伝える。そういう役目を日本は果たせると思います。

飯田)今回、年が明けてすぐにソレイマニ司令官の殺害があった。日本政府は公式にはしばらく出さず、週明けの総理の会見のなかで事態の収束、自制を求めるという発言がありました。

【日イラン首脳会談】イランのロウハニ大統領(左)を迎える安倍晋三首相=2019年12月20日午後、首相官邸 写真提供:産経新聞社

日本はアメリカの真ん中であるという独特のポジション

高橋)アメリカとイラン、どちらの立場にもならないという独特なポジションです。だから有志連合に参加しない。抑制的な方がいいと思います。アメリカにつく国はすぐ攻め出したりしますが。

飯田)イギリスなどはそうですね。

高橋)そうですね。「そうではない」ということを出すタイミングも計っているのではないでしょうか。イランから、アメリカの方についていると思われたら不利です。

飯田)そこはシェール革命で、基本的にはエネルギーが安泰のアメリカとは違いますからね。

高橋)日本は9割以上が中東に依存していますから。アメリカはどちらかと言うと、あそこで紛争してエネルギー価格が少し高くなってもいい。輸入していたら深刻ですが、そうではありません。ロシアも少しならエネルギー価格が上がってもいいというくらいでしょう。いまは誰も抑える人がいない、だから怖いのです。

飯田)イランからすると、ヨーロッパ各国に頼ろうとしても頼れない。

日米貿易協定交渉の最終合意を確認した文書に署名した安倍晋三首相(左)とトランプ米大統領(アメリカ・ニューヨーク)=2019年9月25日 写真提供:時事通信

日本は外交的に“後出しじゃんけん”でいい

高橋)ヨーロッパはイギリスのブレグジットなどで、それどころではないかもしれません。そうすると、アメリカに話を伝えるのは日本しかない。日本はその位置を認識しているから、軽々にいろいろなことにすぐ反応しない方がいいと思います。少なくともイランはチャンネルの1個として、日本を意識していると思います。

飯田)だからこそ年末に大統領が来たのですね。

高橋)日本もそれがあるから、すぐに意見は言いません。少し引きながらいろいろな国を見て、その真ん中を言うことです。後出しじゃんけんがいいです。言い出す前に言ったら、真ん中が真ん中ではないこともあります。真ん中というのは、イランとアメリカの真ん中です。

飯田)真ん中だと思っていたところが、アメリカに近かったということも。

高橋)先に言ってしまったら取り返しがつきません。だから、後出しじゃんけんがいいと思います。

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