米大統領選に現れた新星・ブティジェッジ候補とは何者なのか
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00ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(2月7日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。民主党の大統領候補指名争いに現れた新星、ブティジェッジ氏について解説した。飯田浩司が休みのため新行市佳が進行を務めた。
ブティジェッジ候補~70年代のカーター、90年代のクリントン、2000年代のオバマに続くことができるか
アメリカの民主党は6日未明、大統領選候補の指名争いの初戦、アイオワ州党員集会の最新の集計結果を発表した。CNNテレビによると97%の集計で、ブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長が26.2%の支持を得てトップ、2位はサンダース上院議員が26.1%で、その差はわずか0.1ポイントとなった。
新行)少し発音のしづらいブティジェッジさんとは、どんな方なのでしょうか? 簡単にご紹介します。70歳以上のベテランが並ぶなか、極めて若い38歳の男性。名門ハーバード大学を卒業して、その後アメリカ国内の極めて優秀なエリート学生を支援する奨学金制度でイギリスのオックスフォード大学に留学、卒業後は世界屈指の経営コンサルティングファームのマッキンゼーアンドカンパニーに就職します。英語以外にもスペイン語やノルウェー語など8ヵ国語を操る、まさにスーパーエリートです。2012年、29歳の若さでアメリカ中西部インディアナ州サウスベンドの市長に就任。市の財政を立て直したという実績はありますが、国政経験は0です。また、男性と同性婚をされていることも公表しています。ブティジェッジさんが大躍進ですが、この理由はどのように分析なさっていますか?
宮家)彼としては限られた資金、人員、そしてエネルギーをアイオワとニューハンプシャー、この2つの州に徹底的に集中した。そしてうまく若い人の票が入ったこともあって、下馬票よりも10%くらい支持を増やし、サンダースさんにも並ぶような形になった。ニューハンプシャーではサンダースさんが票を取ると思うけれども、もしブティジェッジが2位につけるというようなことになれば、大きなうねりになるのではないでしょうか。そうなれば再びお金も回って来るし、人も付いて来ます。飯田浩司さんも38歳だから、彼が神奈川県のどこかの市長をやっていて、「総理になるぞ」と言って衆議院に出るようなものです。飯田さんはLGBTではないですが、いまのアメリカでは、まだ女性すら大統領になっていないのです。そのような状況で本当にブティジェッジさんが選ばれるかどうかは、少し難しいところがないわけではないと思います。10年後ならばもっと普通になると思いますけれども・・・。
カーター、クリントン、オバマ~70年代以降、民主党で大統領になったのは若くフレッシュな候補者
宮家)違う角度で見れば、70年代以降、民主党で大統領になったのは、カーターさん、クリントンさん、オバマさんです。みんな若く、ワシントンを知らないフレッシュな人たちです。自分もそうなのだとブティジェッジさんは言っているわけです。流れが上手い方向に動いて行くと、彼が大統領になってもおかしくないと、最近思うようになりました。アメリカも変わったということです。問題は、この人がトランプさんに勝てるかということ。恐らくトランプさんは「手ぐすね」を引いて待っていると思います。若いから逆にやりやすいと思っているかもしれません。トランプさんがいちばん嫌なのは、バイデンさんですから。どちらにしてもブティジェッジさんは、新しいアメリカを象徴するような政治家であることは間違いありません。
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