れいわ新選組の山本太郎代表が4月9日(木)、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!~激論Rock&Go!」に出演、旧知の辛坊氏と、まさに「激論」を熱く戦わせた。
この日辛坊氏は、新型コロナウイルス感染症対策として東京のスタジオへは移動せずに、大阪からの「リモート」出演となったが、東京のスタジオに山本氏が登場すると、まずは約20年前に大阪のテレビ番組で共演していた当時を振り返った。
山本)よろしくお願いします。
辛坊)こんにちは、太郎さん。
山本)お久しぶりです。なんとか生きてますよ。
辛坊)山本太郎さんと仕事をしていたのが1990年代の終わりごろではないですか。
山本)懐かしいですね。
当時「元気モンTV」(よみうりテレビ)で初共演していた2人だが、その後2011年に「朝生ワイド す・またん!」(よみうりテレビ)で対談をしたことも回顧。
山本)覚えていますよ。そのときに辛坊さんから「政治家にならないのか」と言われて。
辛坊)あれは政治家になる前だった。
山本)そうです。で、「政党名はやまも党とかがいいですかね」と軽口を叩いた覚えがありますよ。
そして話題はいよいよ本題へ。山本氏の政治ビジョンについて辛坊氏が問うていく中で、「都知事」の職務への関心を訊ねていった。
辛坊)首都東京との距離の取り方はどのような感じのスタンスですか?
山本)都政ですか? 特に私たちと関わりの深い都議さんがいるということではないです。
辛坊)でも、いま野党の党首で国会議員2人と。一応提言できることはあるし発言力もあるし、政党要件を満たしているから選挙特番でいろいろと喋れるという発信方法もあるけれど、実際に権力をふるってやりたいことをやるということになると、総理大臣までいきなりいければ理想とするところなのだろうけれど、総理大臣になるにも与党で過半数を押さえて与党のなかでトップに立たなければいけなくて、自民党で総理大臣になるだけでもえらいことで、実際に総理大臣ということになるとかなりハードルが高いけれども、極端なことを言うと都知事だと1回の選挙でパーンとトップを取れて、日本の国家予算の10分の1どころか途上国からすれば中堅国家くらいの規模の予算を扱える立場に立てるわけではないですか。そういう意味で言うと都知事などは政治家として相当魅力的ではないかと思うのですが、どうですか?
山本)上手に聞きはるわ(笑) ちょっと誘導が入っているくらいに(笑)
辛坊)もちろん誰が聞いたっていまのは全面誘導でしょう(笑) でも、誘導ではなくて本音でそう思うのですよ。
山本)辛坊さんとしては出た方がいいという感じですか?
辛坊)山本さんが? 俺が?
山本)どうしましょう(笑)
飯田浩司アナウンサー)辛坊さん出ますか?(笑)
辛坊)本気で世の中を動かしたい、やりたいと思うのだったら、いまから「総理大臣になります」と言ったって無理だろう。自民党のなかで安倍さんが総理大臣になっていくプロセスを見たって、1年やって引きずり下ろされて間を何年も重ねて、次に総理大臣になれたのは奇跡ですよね。自民党のなかで過半数を押さえて総理大臣になるプロセスを見ると、何年か前に考えたことがあって、例えば橋下徹が総理大臣をやる、世の中がそれを求めていると。極端なことを言うと日本経済がどうにもいまの方向ではならないということになって、まったくいまの方向とは違うやり方でやる人物が出てきたときに、例えば橋下徹のようなのがでてきて総理大臣をやると言って野党が糾合してこいつを国会議員にしてやろうと野党で過半数を取る方向性がないとは言えないのですよね。だけど、実際問題として総理大臣への道は針の穴にロープを通すくらいのものだと言うと、知事は一発の選挙で当選すれば可能ですからね。そういう意味では政治家を目指して政治をやりたいと思う人間にとってはかなり魅力的なポジションだと思うのですけれど。
山本)おっしゃる通り、総理大臣になろうとしてもすごく時間のかかることだと。一方で、時空の歪みみたいなものを利用しながらそういうポジションを得ることもあると思うのですが、それは置いておいて。実際に都知事という部分に関してはかなり大きな財政を動かせるということだったり、700分の1という国会議員とは違ってトップダウンでできることは多々あるだろうというのはおっしゃる通りだと思います。「どうなの?」と聞かれると、ずっと言っている答えなのですが、「選択肢としては排除しない」ということですね。……丁寧に誘導していただいたのにすみません。
辛坊)一瞬20年前に戻るよ。太郎ちゃん、もっとはっきり言いや(笑)
山本)でも、小池さんも頑張っていらっしゃるではないですか。東京オリンピックがなくなって(延期になって)からコロナにも本気になったみたいですし。
辛坊)あれが本気かどうか非常に疑問なのは、最初の記者会見で記者を集めるじゃない。本気で病気を止めようと思っている人間が、わざわざ狭いところに記者をたくさん集めて記者会見を開くかと。結局パフォーマンスなのではないか、と正直思わなくもないです。
山本)この番組でさえもリモートでやっていますからね。スタジオに4人入るのを1人大阪で、というくらいでやっていますからね。そう言われるとそうかもしれません。
辛坊)いま自分が知事なら、総理大臣ならやりたいということは当然ありますよね。
山本)そうですね。総理としてやれることはいま、わたしたちが提言として出していますが、東京都としてやれることもあります。特に東京はネットカフェ難民の調査をやっているのですね。そのなかでネットカフェを利用している25%くらいの人たちの家がネットカフェになっているということを2018年に調査として出しているのですよ。つまり、ネットカフェがコロナの感染源になり得ると。それだけでなく住居を喪失して行き場がない人たちに対してどういう住宅政策をしていくかということも、トップダウンですぐにできる話です。そう考えると、権限、まかされた裁量は大きいし、絞られている検査についても新潟でやられているようなドライブスルー形式のような簡易的なものを採用していくことができるわけですよね。力のある仕事ではあるな、と思いますね。
辛坊)やはり魅力的だと思う?
山本)もちろん。政治家がみんなそのような権限を持てるということであるならば魅力的だと思います。
辛坊)結局のところ、どこかの判断の最終局面としては勝てるか勝てないかというのが1つの大きなファクターにはなるのですか。
山本)負けることがわかっていてやる人はなかなかいないですから、勝つつもりでやるというのはあります。でも、まったく勝てないと踏んで戦いに挑むことはなかなかないと思います。
辛坊)ということは、ある程度勝算が見えてきた段階で出る可能性はありそうですね。
山本)「フライデー」よりしつこいな(笑)
辛坊)一緒にせんといて(笑)! 「文春」とか「フライデー」と一緒にせんといて(笑)
自身について報じている雑誌「週刊文春」や「フライデー」を辛坊氏がネタにするなど和やかに進む場面もありつつ、その後は、山本氏が「消費税廃止」と訴える経済政策などについては舌戦を繰り広げた。
そして締めには「太郎ちゃん、頑張ってな。応援してんで!」とエールを送った辛坊氏。そこへ「次は(票を)入れてくださいね!(笑)」と山本氏が即座に返答すると、「それはちょっと考えとくわ(笑)」と辛坊氏が落とし、45分にわたる激論が幕を閉じた。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)