野党が1つになるべき~れいわ山本氏と連携する馬淵氏の信念

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月31日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。れいわ新選組の山本太郎氏と馬淵澄夫元国交大臣が主宰する、消費税減税の勉強会について解説した。

野党が1つになるべき~れいわ山本氏と連携する馬淵氏の信念

消費税減税研究会設立総会で握手を交わす呼びかけ人の、れいわ新選組・山本太郎代表(左)と馬淵澄夫元国土交通相=2019年10月30日午後、国会内 写真提供:産経新聞社

れいわ新選組の山本太郎氏ら、消費税減税勉強会を初開催

れいわ新選組の山本太郎代表と無所属の馬淵澄夫元国交大臣が主宰する、消費税減税に関する勉強会の初会合が30日に開かれた。次の衆院選で、消費税率5%への引き下げを主要野党の共通政策として掲げることを目指し、各党に提案する考えだ。

飯田)馬淵さんはもともと「消費税を下げるべきだ、下げられるのだ」と言っていました。

鈴木)デフレの下では減税しかないのだという論文もまとめていました。馬淵さんはその論文を、1年半ほどかけて作っています。2017年の総選挙で民進党がばらばらになって、希望の党などがぐちゃぐちゃになりましたよね。馬淵さんはずっと民進党にいたのですが、いずれ民進党の代表選挙に自ら出て、減税を自身の1つの方針、公約にして戦うのだと言って準備をしていました。だから2017年の選挙のとき、この人は希望の党なのか立憲なのか、よくわからなくなってしまった。その際に馬淵さんは、これが自分の個人の公約だと言って、減税についての論文を掲げて戦ったのです。落選しましたが、繰上りで復活しました。昔は国交大臣で体を鍛えていて、ターミネーターなどと言われていましたね。

馬淵澄夫氏が無所属を貫く理由

鈴木)この前、馬淵さんとかなり長い時間、1対1で話し込みました。この減税勉強会は、山本太郎さんと2人でコンビになっていることが、大きなポイントなのですね。馬淵さんが復活したとき、立憲の枝野さんからも、国民の玉木さんからも「ぜひうちの党に」という誘いが来たのです。しかし、馬淵さんは断った。なぜ無所属の立場を貫いたのかというと、自分が束ねて来た「一丸の会」の代表を務めていますから、1つの政党には入れないということがあった。また馬淵氏には、野党が1つにならなければいけない、それで政権交代を目指すという強い信念があるのですよね。自分がどこかの政党に所属してしまうと、その政党の色が付きますので、いろいろと他政党との間を……。

飯田)媒介的にやって行く。

鈴木)そうです。そのためには無所属の立場がよいと、その信念で彼は断りました。代わりに立ち上げたのが、この減税の勉強会です。野党が1つになって行くために、政策の柱を1つ作りたい。その柱のいちばんに、いわゆるアベノミクス、安倍さんが行って来た経済政策に対抗するインパクトのあるものを、みんなで持ちたい。それが減税ではないかということを提起したいのです。山本太郎さんも参議院選挙で、減税ということをすごく言って来ました。彼も自分で勉強をして、考え方も同じだから一緒にやりましょうということになった。また馬淵さんが言うには、山本さんの発信力についてです。この前の選挙で200万票以上を獲り、野党を支持する票、無党派の人たちの票まで獲り込んだ。この力、発信力は絶対に野党の結集に必要だと。だから彼をしっかり取り込んでおかなければならないということでしょう。一方で、山本太郎さんも野党が1つになることについて、いいイメージを持っています。野党の結束、結集の政策の核になるという動きとして見ていいと思いますね。

小沢一郎氏が「年内に新党」発言

飯田)いろいろな面で、人を集めて来なければならない。政局的な話ですけれども、新党結成に意欲を示している方が1人いらっしゃって、それが小沢一郎さん。

鈴木)29日のニコニコ動画(『小沢一郎「今だから話せるあの時そしてこれから」国会議員在職50周年インタビュー』)で、小沢さんが「年内に新党を」と言ったのだけれども、あれは僕との対談でした。

飯田)そうでしたよね。

鈴木)僕もびっくりしまして、そこまで言っていいのかと。僕は来年(2020年)の春までに少し時間をかけるのかと思っていたのですが、小沢さんは年内にと言いました。古いかもしれませんが、小沢流だなと。

飯田)締め切りをまず決めて。

鈴木)そんな感じがしましたね。実際にそれを発言したことによって、それがニュースになり、30日夜に枝野さんと小沢さんが会っていましたね。新党をどうするのか、その発言によって少し前に動き出した。一方で、馬淵さんが政策の柱を立てています。

飯田)同じタイミングで行っていますね。

キーマンとなるのは野党統一を目指すリアリスト

鈴木)もう1人のキーマンを挙げるとしたら、安住国対委員長だと思うのですよ。いろいろな評価がありますが、この人はリアリストなのです。2016年の参議院選挙で民進党がぐずぐずしているときに、安住さんは宮城で共産党までを含め、野党統一候補しかないのだと、志位さん(=志位和夫・日本共産党委員長)のことを「兄貴のような存在」とまで言った。現実的には野党統一でやらなければだめなのだと、選択したら彼は走って行くのです。枝野さんもリアリストですね。リアリストとは、よくも悪くも言われるのですが。そういう意味では、かなり現実的に結束について対応して行こうと、国対委員長就任というのは、枝野さん辺りにはそういった意図があると思いますね。これまでの感情的なもつれで、立憲や国民などは喧嘩ばかりしているところがあるけれど、みんな現実的に考えましょうと。そういう流れになって来ているなと、取材をしていて感じますね。

野党が1つになるべき~れいわ山本氏と連携する馬淵氏の信念

ジャーナリスト・鈴木哲夫が語る「幻のインタビュー」

飯田)民主党政権の時代を考えると、安住さんは財務大臣を歴任しました。最後は消費税の問題で、小沢さんと割れるではないですか。あの辺のしこりなどは、もうないと考えていいのですか?

鈴木)ないですね。実は安住さんの幻のインタビューがあって、彼が国対委員長だった2011年に、僕がインタビューをしました。小沢さんとバチバチやっていたときです。小沢さんは陸山会事件がありましたよね。だから小沢さんを否定するかなと思っていたら、「小沢さんの選挙は凄い」と。「複数区に複数を立てるなんて、こんな選挙をできる人はいない」と褒めたのです。そのとき、この人は本当にリアリストだと思いました。週刊誌のインタビューだったのですが、これは見出しになると思い、喜び勇んでインタビューを終えて、議員会館の1階の廊下に行ったときに、あの東日本大震災が起こりました。だから、そのインタビューは日の目を見ていません。しかし2011年から、安住淳氏はリアリストだったのです。そういう意味では小沢さんも安住さんも、1つになるしかないと思っている。この2人は結構連絡を取り合っていて、一致しているというように僕は聞いています。何をすべきなのか、現実路線を歩き始めているという感じを持ちますね。

飯田)考えてみれば2017年に選挙があり、任期の半分を超えているのですよね。ここから先は、選挙モードもにらみつつ。

鈴木)俗に言う、「いつあってもおかしくはない」ということですよね。

飯田)そうすると、こういった動きがいろいろと出て来る。

鈴木)出て来ますし、早い方がいいですよね。政党交付金などの問題もあるから、確かに小沢さんが言う年内は、節目でもあるのです。

飯田)お財布の部分のね。

鈴木)最後に小沢さんは、「もしこれができなかったら、野党は終わりだ」と言っていました。だから本当に、重要な分かれ道に来ているのは間違いないですよね。

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