俳優の近藤芳正が、6月7日(日)に放送された、女優の戸田恵子がパーソナリティを務めるラジオ番組「戸田恵子 オトナクオリティ」(ニッポン放送・毎週日曜14時~14時30分)にゲスト出演。5月にYouTubeにて生配信された『12人の優しい日本人を読む会』について、発起人で出演もした近藤がその制作秘話を語った。
『12人の優しい日本人』は1990年、三谷幸喜が劇団・東京サンシャインボーイズで活動していた頃に書き下ろした代表作品で、「もしも日本にアメリカのような陪審員制度があったら?」という架空の設定で、一人の死をめぐって12人の陪審員激論を交わす法廷密室コメディ。
新型コロナウイルスによる外出自粛が続いたことから、1992年上演版のオリジナルキャストを中心にとしたキャストが、ウェブ会議アプリ・Zoom(ズーム)を使って『12人の優しい日本人』を読み、その模様をYouTubeで生配信。名作の思わぬ形での再演に、大きな反響を呼んだ。
戸田もこの配信を視聴したそうで「まさかオンラインで演劇が楽しめるなんて! と思ったのは私だけではないはず」と語り、近藤に舞台裏を聞いた。
戸田:台本はどうされたんですか?
近藤:台本は、あいちゃん(相島一之)に持っているか聞いたら探してくれて、「あったあった」ってなったんだけど。でも、ビデオを手に入れて見てみたら結構変わっていて、「これは書き直さなきゃダメだ」ってなって。それで、僕がビデオを見ながら変わったところ全部書き足したりして。
戸田:ひぇ~、大変!
近藤:そうしたら、妻鹿ありかさんが「私やるよ」って言って台本に起こしてくれたんですよ
戸田:台本作りとか、そんなところからみんな苦労してやったんですね
近藤:そうなんですよ
戸田:当時のネタというか、そういうのがすごい懐かしいなーと思って。私いつもね、初演から笑っていることがあるんだけど……とある名前で
近藤:越谷のジョイナー?
戸田:そうそう! 越谷のジョイナー! あはははは(笑)もう、いつ見ても笑えるな~と思ってね。ちょっと、今どきの人には分からない話かもしれないけれど、いろいろ懐かしく思いました
近藤:うんうん
戸田:歴代のみなさんは当時20代だったかもしれないですけど、今は50代でしょ? ハイテクに付いていけていない人のイメージがありますけど、大丈夫でしたか?
近藤:まず、Zoomという存在を知らない!
戸田:ふふ(笑)
近藤:みんなに「生配信での公演というのを考えているから、マネージャーさんに許可を取ってもらえる?」って、聞いてもらったんですよ。そうしたら、「なんかやっぱり、『こういう時期だから集まるのはやめたほうがいい』ってマネージャーに言われよ」って言われて、「いやいや! 集まらないよ! Zoomというものがあって、オンラインでやるんだよ!」って説明して、そういう話から始めました(笑)
戸田:あははは(笑)
近藤:Zoomにログインしても、みんななかなか入って来ず。全員入れたのが1時間後
戸田:1時間! まあでも、それでもいい方じゃない?
近藤:このまま入れない人がいるかも、と思っていました
戸田:今回の演出が、アガリスクエンターテイメントの冨坂友さん。どんな方でしたか?
近藤:本当に三谷幸喜さんのことが大好きで、自称“三谷フリーク”と仰っていて。Zoomでもいろいろ活動されているし、あいちゃん(相島)も知っている方だったから彼に演出を頼みました。メカにめちゃめちゃ詳しいから、ものすごく助かった! 「(Zoomの)背景を変えたい」とか、みんな勝手なことを言うじゃないですか? そんな12人のオヤジ達を、ちゃんと引っ張ってくれました
Zoomを使って生で演劇するという初の試みは、容易にはいかなかったと、苦労を語った近藤。この他にも、三谷に今回の企画を提案した時の反応や、どれくらいの稽古を行ったか、打ち上げの様子なども紹介した。
番組情報
女優・戸田恵子が大人のクオリティ・オブ・ライフ(上質で豊な生活)をエンジョイするための「人・モノ・コト」にフォーカスする番組です。
大人の会話が弾むプチトリビア、大人が生活に取り入れたくなる情報をお届けする30分。ぜひお付き合いください。