「Go To」東京発着除外~それでも行く人は行く
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月17日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。政府が対象から東京都を外す方針に転じた「Go To トラベル」キャンペーンについて解説した。
「Go To トラベル」キャンペーン、東京発着は除外に
西村大臣)東京が目的となっている旅行については、東京都内の旅行も含めて対象外とすること、割引の支援を行わないということです。それから東京都に居住する方の旅行についても、同様に「Go To トラベル」事業の対象外ということで了解をいただきました。
政府は16日、国内旅行代金の一部を補助する「Go To トラベル」キャンペーンについて、東京発着を除外する方針を決めた。新型コロナウイルスの感染流入を懸念する地方の声に配慮して、全国一律で実施する予定を変更している。
飯田)西村大臣の会見の模様もお聞きいただきましたが、都内発着、そして都内居住者の旅行は当面、対象から外れるということです。
宮家)苦渋の選択なのでしょう。本来は全国一律でやらないと、不公平になるし、効果も限定的になります。きょう(17日)の産経新聞の三面には、「感染防止と経済バランス苦慮」と書いてある。まさに苦慮した上での急転直下の決定ということでしょうね。私は最近の感染者数急増を見ると、当然だろうと思います。
キャンペーンから東京都が除外されても行きたい人は行ける
宮家)しかし、同時にビジネスをやっていらっしゃる方にとっては死活問題だから、この両者のバランスを取るのは本当に難しいことだと思います。ただ、私がいちばん気になっているのは、勿論、アメリカに比べればまだいい方だとは思うけれど、1日数十人だった感染者があっという間に100人を超え、いまや200人を超えているのです。そうなると、これは単なるGo To 問題ではなくなる可能性があります。それ以前に、問題は本当にもう第2波が始まっているのかどうかということです。東京都民を除外すると言っても、「割引」はされないけれど、東京の人でも旅行に行きたい人は行けるのですよね?
飯田)確かにそうですね。
「Go To」問題の前に第2波について議論すべき
宮家)「東京から出るな」と言っているわけではないですよね。でも、それって非常に中途半端です。Go To 問題に特化しているのかも知れないけれど、何より我々の命を考えるのならば、特に私のような65歳を過ぎた人にとっては、死活問題になり得るのです。もう少し、全体の流れのなかで考えなくてはいけないと思います。緊急事態宣言が終わっても、ウイルスがなくなったわけではないのです。赤信号が青信号になったのではありません。黄色信号になったのでもありません。私たちのような年齢の高い者にとっては、赤信号が点滅になっただけです。難しい問題だとは思いますが、もう少しGo To 問題以上の広がりを考えなければいけない時期に来ているのではないかと、心配しています。
飯田)一部には法改正をするべきではないか、あるいは、緊急事態宣言を出さないまでも、首長の判断でもう少し移動の自粛をすべきではないか、なかには罰則規定を設けるべきだというような意見もあります。
宮家)この問題については、私は専門家ではないので、あまり無責任なことを言うべきではないと思うのですが、結局、「あるときは締め、あるときは緩める」。これを繰り返すしかないと思っています。
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