ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月1日放送)にジャーナリストの有本香が出演。自民党総裁選の行方について解説した。
自民党総裁選~きょう形式決定へ
自由民主党は9月1日の総務会で総裁選の形式を決定し、2日の総裁選挙管理委員会で選挙日程を確定する。
飯田)すでに各紙で報じていますが、9月8日に告示、14日に投開票、両院議員総会での選出ということです。既定路線のようになってしまっていますね。
有本)今回はそうですね。地方の党員の方々の投票をやるのかどうかについて、候補者になるのではないかと言われている方からも、いろいろと意見が出ています。
飯田)党内民意だということと、コロナ禍で大きな選挙をやってよいのかということ。後継総裁人事ということになると、「菅、菅、菅」となっていますね。
有本)麻生派が「菅さんで行く」と決めたことは大きいですよね。
飯田)岸田さんが麻生さんのところを訪れて、鬼のような形相で出て来たということを言われております。
側近含めて多くの人が安倍総理の辞任はないと思っていた
有本)次の総裁が岸田さんか菅さんかということは、前から言われていました。禅譲するのであれば、2人のうちのどちらかだろうと。安倍総理が辞任を表明した日の会見後に、岸田さんと話をしていますよね。総理と面会したときは、岸田さんはニコニコしていました。おそらく安倍さんは、そこで決定的なことを言ったということではないでしょう。今回の総理の辞任は、私も予想を大きく外してしまいましたが……。
飯田)驚きましたよね。
有本)驚きました。前日に、総理の側近と言われて来た人も含めて、多くの人が続投するだろうと、反対のことを予想していました。岸田さんご本人も青天の霹靂だったと思います。あの時点で安倍さんが、具体的に「頼むぞ」ということを言ったわけでは当然ないと思いますが、何かしらご自分にとってよい方向を感じていたのだと思います。
飯田)ところが昨日(8月31日)、再び岸田さんが総理のところに行くと、その感触とは正反対であったのかなという感じですね。
有本)おそらくそうでしょうね。確かに、いま仕事を引き継ぐ上では、菅さんに引き継ぐというのがいちばん現実的ではあります。
飯田)官房長官だったので、ということですね。
「大宏池会構想」に向かう麻生氏の動き
有本)一方で、自民党内での政争、政局ということで言えば、前から「大宏池会構想」というものがありますよね。麻生さんとしては、これにボールを投げたのだと思います。
飯田)麻生さんの派閥と、いわゆるいまの宏池会、岸田さんの派閥、それから谷垣さんのグループなども含めて、昔の宏池会に戻って行こうと。
有本)それができる1つのチャンスをつくって行こう、ということでもあったと思います。岸田さんがそこへ乗り切れなかったということもあるのでしょう。厳しい顔をしていたのは、その辺りもあると思います。
飯田)麻生さんは常々、宏池会の重鎮であるOBの古賀さんと。
有本)そうですね。古賀さんと袂を分かって、というところですね。
飯田)「現役でやろうよ」と言っていたと。
実務面で安定感のある菅氏~どんな国家観を持っているのかわからない
有本)最近も古賀さんと岸田さんは会っていらっしゃいましたよね。ですので、そこは難しかったのだろうと思います。ただ、岸田さんが総裁になろうが、菅さんがなろうが、いずれにしても相当難しい問題が山積みですよね。
飯田)そうですよね。コロナもそうですし、その他にもあります。
有本)実務面では、圧倒的に菅さんに安定感があるのだろうと思います。しかし菅さんは、本当は何を考えているのかわからないところがあります。安倍政権、安倍総理の下でのスポークスマン、また取りまとめ役という意味では頼りになる人です。しかし、本当はどんな国家観を持っているのかわかりません。安全保障については、ずいぶんリアリストだという話は聞きますが、例えばいまの局面のなかで中国との向き合い方について、どんな考えを持っていらっしゃるのか、みんなわかっていないと思います。
飯田)その辺りが、総裁選の議論のなかで出て来ればいいですね。
有本)そうですね。
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