キャスターの辛坊治郎氏が11月12日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。香港における「一国二制度」の形骸化について言及した。
中国の全人代全国人民代表大会の常務委員会が11日、香港の議会に当たる立法会の議員資格に、香港政府への忠誠などの新条件を定めた。これを受け香港政府は民主派議員4人の資格を剥奪したと発表。他の民主派議員15人も抗議のため集団辞職をした。
辛坊)かなり無茶苦茶ですよね。このタイミングでやるか、という話なのですが、中国の習近平指導部が香港の立法議会の民主派議員4人の議員資格の剥奪決定という。他の民主派議員も全員辞職ということで、香港議会からはいわゆる民主派という人たちがこれでいなくなってしまうということですか。
飯田)このままいくと、そういうことになりますね
辛坊)12日の夕刊フジの2面にこの話題がかなり詳しく出ています。この夕刊フジのなかで、この番組にも出ていただいている石平さんがコメントを出していて、こうおっしゃっています。
中国事情に詳しい評論家の石平氏は「香港からの民主派排除は、習政権による国安法成立当初からの既定路線だ。世界が米大統領選に気をとられ、米国が混乱するなか『欧米諸国は、このタイミングなら手を出せない』とみたのだろう。火事場泥棒的な根性だ。国安法では、あらゆる罪名をでっちあげることも可能とされる。今後、資格剥奪・辞任した民主派議員らを摘発するなど、次のステップに乗り出す可能性もある。中国に厳しく対峙(たいじ)したドナルド・トランプ米政権が退陣すれば、ますます圧力を強める可能性もある」と語っている。
~『夕刊フジ』2020年11月12日記事 より
辛坊)そこまでできるかどうかはともかくとして、香港って、イギリスから返還されたときに、あそこの地は自由と民主主義が守られるのだろうな、と思われていた。一国二制度ということで自由と民主主義がある香港を、ある意味包含する形となった中国共産党政権は、何十年もたてば中国共産党の方が徐々に変わっていって自由と民主主義を基調としていく……あれだけ大きな国が生まれ変われば世界にとってもプラスだろう……おそらくイギリスが香港を返還するにあたってもこのような思いがあったと思いますが、そこから今に至って分かったことは、そう簡単な話ではないと。やはり共産主義の独裁体制の強さというものをひしひしと感じますよね。経済の話でも、いち早くこの新型コロナの影響から抜け出していろいろな意味でいま絶好調が伝えられていて、11月11日独身の日での売り上げが7兆円を超える、というようなニュースも出ている。やはり経済ということを前面に出されると、アメリカもこれからはそう簡単に対処できないという意味では、大変な時代になってきたなと思います。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)