ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月10日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。石垣市が尖閣諸島の住所地名変更を議会に提出したニュースについて解説した。
石垣市が尖閣諸島の住所地名変更を議会に提出
沖縄県石垣市は9日、行政区域として管轄する尖閣諸島の住所地、字名(あざな)を石垣市「登野城」から石垣市「登野城尖閣」に変更する議案を市議会に提出した。22日に開かれる本会議で可決されれば、日本国の住所地として「尖閣」の名前が明記されることになる。
飯田)中国海警局による領海侵入が相次いでいる尖閣ですが、石垣市でこういう動きがありました。行政の部分の動きというのは大きいのですか?
高橋)行政の対応を明らかにするというのは、1つの手ですよね。中国も勝手に地図に入れていたりします。それと同じです。こういうことは行ってもよいと思います。しかし、沖縄県はこれに対してどんな反応なのでしょうか?
沖縄県はどのような見解なのか
飯田)県としては聞こえて来ないですね。この間、県議会議員選挙があったばかりです。
高橋)共産党は全員当選したようですが、知事与党が圧勝したというわけではないですよね。革新系の与党としては、それほど増えてはいません。
飯田)議席48のうち25ということで、過半数ぎりぎりでした。
高橋)この石垣市のことについて、沖縄県はどのような見解なのでしょうか? そこが私は気になりました。
飯田)中国との関係ということになると、安倍政権はここのところどうなのだろうか、融和的なのだろうかということも言われていますが、8日の本会議で、「香港情勢に対しても憂慮する」という発言がありました。また、習近平主席の国賓での訪日も、年内は検討しないということです。
「欧米4ヵ国中国批判声明に日本が参加拒否」という報道
高橋)事実上、難しい状態になっているのではないでしょうか。この香港の話があるときに、国賓で迎えるということは、国際的によくないですよね。その前にG7を行います。外相会談で言っているはずですが、G7の場ではっきりと安倍総理のスタンスが旗幟鮮明になるはずです。
飯田)香港情勢をめぐってイギリス、アメリカ、オーストラリア、カナダが批判声明を出すにあたり、日本に声をかけたけれど断られたと共同通信が報道していました。
高橋)あれを読んだとき、すぐに誤報だと思っていましたが、やはりそうだった。どうしてあのように思い込みで書くのでしょうか。大使館に連絡すれば、すぐにわかる話です。官房長官の記者会見を聞いて、やはりそうかという感じでしたね。
飯田)声がかかったかどうかに関しては、外交的な機密に関わるので言わないけれども、すでに大使を呼んで、また外務大臣から憂慮という発言もあった。
高橋)大使館か外務省に連絡すれば、すぐに答えが返って来る話です。
飯田)シンガポールの新聞やブルームバーグも一部、共同の英語版を引用したという話もありました。
高橋)誤報が広まっていますよね。
飯田)そこへ来て国務省の報道官が、「日本とアメリカは同じ方向を向いていて強固なのだ」と、「中国への対応、香港情勢の対応に関して、共同保持を取っている」と敢えて発言をしました。
G7での議題は「対中国」となる~安倍総理のスタンスも明確にしなければならない
高橋)今度のG7はアメリカで行います。その密接な打ち合わせをしているはずです。新型コロナの影響で開催が遅れましたが、議題は決まっているのではないでしょうか。中国についての話でしょう。
飯田)そこで連絡を取り合っているなかで、日本でももちろん否定はするけれども、「お宅ももしよかったら」ということがあってもおかしくないわけですよね。
高橋)そうでしょうね。しかし、これは明らかにしなければならないことです。G7ですので、先進国のなかではおのずと「対中国」とはっきりします。全体主義の民主主義国家ではないところに対して、どのように向かい合うかという話にしかならないのですよ。もともとG7サミットというのは、そういうものでしたから。
飯田)そうですね。フランスのランブイエで第1回が開かれたときも、先進国の共通価値観が基本でした。
高橋)安倍さんも価値観外交という話をしていますので、ここで国賓の話はG7の手前、なかなか話しづらいですよね。トランプ大統領から「まさか習近平氏が国賓で来るわけがないよね」と直接言われてしまいます。
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